世の中には動物、特に犬猫に関するイイ話に溢れています。ネットニュースを検索すれば、そのようなイイ話がたくさんヒットします。保護犬や保護猫を取り上げるTV番組もあり、彼らが芸能人とふれあう姿は微笑ましくもあります。
しかし一方、「殺処分」されてしまう犬猫がたくさんいることも事実です。決してそこから目をそらしてはいけません。各行政機関と動物愛護団体、そして新しい飼い主として保護犬や保護猫を引き受けていただいた方々、その他たくさんの人々の努力によって、日本における犬猫の殺処分数はここ近年激減しています。
しかしいまだに、特に私たち行政の現場には「殺処分が減ってるとしても、ゼロにならないと意味がない」というクレームや、ひたすらに「動物を殺さないでください」との嘆願などが寄せられています。「殺処分」という言葉があまりにも刺激的なため、ついつい感情論になってしまいがちです。そもそも環境省が、収容動物の致死処分を十把一絡げに「殺処分」と呼ぶことが問題で、動物の状態によっては、苦しみを終わらせるために安楽殺を選択せざるを得ない局面も当然あります。彼らを死ぬまで放置しておくことこそ問題です。
私は実際に殺処分に関わった経験を持つ人間として、殺処分とは何か、そして現場で何が行われているかなど、差しさわりがない範囲で発信していきたいと思い、このホームページを立ち上げました。
感情論ではなく、正しく知ったうえで「殺処分」について論議していただける世の中になれば本望です。
申し遅れましたが、のらぬこ先生と申します。地方公共団体で勤務している、現役の公衆衛生獣医師です。動物愛護管理センターで犬猫の譲渡や殺処分に関わっていた経験があります。
Twitterはこちら→ のらぬこ先生 https://twitter.com/noranukosensei