多頭飼育崩壊の犬

2020年に某県で発覚した「個人としては史上最大級」の多頭飼育崩壊からレスキューされた犬を見ましたが、一見してそれとわかる、状態の悪い犬でした。

若い成犬と推測されましたが、非常に成長が悪く、しかも痩せていました。幸いにも健康状態には問題がなさそうでした。しかし人間におびえ、隠れ家から出てきません。私は以前、Reid(2013)のこのような記述を読んでいたので、なるほどと思いました。

 

A comprehensive assessment of hoarder and puppy mill dogs should include the standard behavior evaluation plus additional tests for fear and sociability. While these animals tend to be extremely social with other dogs, their sociability with people and their reaction to novelty can be highly abnormal. Dogs raised in impoverished (barren or unenriched) environments have been shown to exhibit a variety of behavioral deficits, including excessive fear of strangers, defensive aggression toward people, catatonia, frenetic and inappropriate activity, and inferior learning and problem-solving abilities.

“Shelter Medicine for Veterinarians and Staff, Second Edition” 565p

ホーダーとパピーミルの犬の包括的な評価には、標準的な行動評価に加え、恐怖と社会性に関する追加試験を行う必要がある。これらの動物は他の犬と非常に社交的である傾向があるが、人間との社交性および新規性に対する彼らの反応は極めて異常な場合がある。貧しい(不毛または豊かでない)環境で飼育された犬は、見知らぬ人への過度の恐怖、人間に対する防御的な攻撃、異常な緊張、異常興奮による不適切な行動、劣った学習能力と問題解決能力を含む、さまざまな行動上の障害を示すことが報告されている。

 

Dogs from hoarding and puppy mill situations are often so unsocialized that it is difficult, if not impossible, to evaluate them. Most have never been in novel environments. Few have interacted with unfamiliar people. Many have never worn a collar and leash or experienced any form of restraint before.

“Shelter Medicine for Veterinarians and Staff, Second Edition” 566p

ホーディングやパピーミルの状況にある犬は、社会化されていないことが多く、不可能ではないとしても、それらを評価することは困難である。ほとんどは、新しい環境に行ったことがない。知らない人間と交流した個体はほとんどいない。多くの個体は、首輪や鎖を着用したことがなく、何らかの拘束を経験したことがない。

 

野犬であれば、離乳までは親兄弟と共に過ごしていますし、自由に移動することもできます。人間から餌をもらっているかもしれません。ネグレクトを経験した犬のリハビリは、ある意味野犬よりも厄介かもしれません。この子と同居していた犬たちの多くは個人に譲渡されたそうですが「時間をかけて慣れてもらえればいい」と思っていただける個人が少なからずいることが救いです。