避妊去勢手術の生殖器への影響

卵巣や精巣から分泌される性ホルモンは、生殖器の発育を促します。そのため、早期に避妊去勢手術を実施すると、外部生殖器の発育が阻害されます。

 

7カ月齢またはそれ以前に避妊をした雌犬および雌猫の、外陰部と乳腺は小さくなる。7カ月またはそれ以前に去勢をした雄犬および雄猫の陰茎と包皮は小さくなる。それらの変化の臨床的な差異は報告されていない。幼齢期の性腺摘出は、雌犬および雌猫では大きな変化の原因にはならないが、雄犬および雄猫では大きな要因となる

(「子犬と子猫の内科学・外科学」高瀬勝晤監訳、2001年、182p)

 

避妊去勢手術は繁殖防止のための処置ですから、外部生殖器に発育不全があっても特に支障はありません。犬や猫はオチンチンが小さいからといって気に病んだりはしないでしょうし。上の文献では「臨床的差異は報告されていない」と書かれていますが、いくつかの懸念はあります。例えば太った雌犬において、外陰部が小さいことがその周囲の皮膚炎の原因になっているといわれています。またかつて、雄猫の早期去勢が尿閉や結石の原因になるのではないかとの懸念がありましたが、それは否定されているようです(Appelら、2013)。

 

When pediatric castration in male cats was first suggested, concern was expressed that it would result in smaller penile urethral diameters and increased risk for urethral obstruction. In 1972, Herron reported no differences in penile urethral diam- eter among cats neutered at 5 months of age com- pared to intact cats. Two subsequent studies have confirmed these findings. Root, Johnston, and Olson (1996) reported no differences in preprostatic ure- thral diameters as well. Root did find that the diameter of the prepelvic urethra of female cats neutered at 7 weeks of age was significantly smaller at 22 months of age when compared to that of intact cats, but no different than in cats neutered at 7 months of age. In addition, Stubbs and Bloomberg (1995) reported that urethral pressure profiles were similar among dogs and cats neutered at 7 weeks and 7 months of age.

 

雄猫の早期去勢が最初に提案されたとき、陰茎尿道の直径が小さくなり、尿道閉塞のリスクが高まるという懸念が表明された。1972年に、Herronは、未処置の猫と比較して、生後5ヶ月で去勢された猫の陰茎尿道直径に差はないと報告した。その後の2つの研究では、これらの結果が確認されている。Root、Johnston、およびOlson(1996)は、前立腺前の尿道径にも違いはないと報告している。Rootは、生後7週齢で避妊された雌猫の骨盤前尿道の直径は、未処置の猫のそれと比較した場合、生後22ヶ月で有意に小さいが、生後7ヶ月で避妊された猫と違いがないことを発見した。さらに、Stubbs と Bloomberg(1995)は、7週齢と7ヶ月齢で去勢された犬と猫の間で尿道圧の分析データが類似していることを報告した。