第3次答申「適正な飼養管理基準の具体化」について

令和2年12月25日に開催された環境省の動物愛護部会の結果を踏まえ、令和3年1月7日に中央環境審議会から飼養管理基準に係る答申がなされました。これは「適正な飼養管理基準の具体化」いわゆる「数値規制」に関することなので、皆さんも関心を持たれているところと思います。詳細は追々お伝えするということで「何がどうなるのか」を手短にお伝えします。

詳しくは https://www.env.go.jp/press/108902.html

 

「基準省令」の新設 現行の規定と「数値規制」を踏まえた新基準を包括した「第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令(基準省令)」が新たに制定されます。それに伴い「第一種動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目」(平成18 年1月環境省告示第20 号)および「第二種動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目」(平成25 年4月環境省告示第47 号)は廃止されます。

※つまり「告示」が「省令」に「格上げ」されるということです。各「細目」は動愛法の規定に基づき制定されているものですから、告示とはいえ法的拘束力を持っていたのですが、法令としての省令に位置付けることにより、法的拘束力をさらにアピールする狙いがあるものと考えられます。

 

MC義務化の具体化 犬猫等販売業者によるマイクロチップの装着・登録等の義務(令和4年6月1日施行)について、基準省令における遵守事項としても規定する方向です。

 

基準省令の施行期日 令和3年6月1日(令和2年政令第240 号)とし、一部の規定については経過措置を設けます。新基準の適用に伴い、繁殖を引退した犬猫の遺棄等が発生しないよう、国や行政機関、業者との連携を図るとしています。

※行政は「連携」と簡単に言いますが、言うだけです。

 

犬猫以外の動物の取り扱い 犬猫以外の哺乳類、犬猫以外の哺乳類、鳥類及び爬虫類に係る基準についても、今後検討を進めるとしています。

 

基準の解説書(仮称)の策定 事業者や自治体職員を対象とした「基準の解説書(仮称)」を策定するとしています。

 

自治体への支援 自治体が不適正事業者に厳格に対応するための相談窓口を令和3年6月以降に設置するとしています。

※残念ながら、取締りのための人員確保については盛り込まれませんでした。自治体担当者の負担だけが増大することになりますが、環境省はどう考えているのでしょうか。

 

国民的な議論の推進 譲渡の推進や犬猫の家庭飼育以外の活用方法、帝王切開が必要な犬種や特有の疾患リスクがある犬猫の品種のありかたなど、幅広い視点から国民的な議論を進めていくべきとしています。

 

事業者の主体的な取組の推進 事業者自らが飼養管理の質を向上させるための取り組みが必要としています。