遺失物法は欠陥法である その2

遺失物法の対象となる「物件」について、同法第2条第1項でこう規定されています。

 

この法律において「物件」とは、遺失物及び埋蔵物並びに準遺失物(誤って占有した他人の物、他人の置き去った物及び逸走した家畜をいう。次条において同じ。)をいう。

 

準遺失物であっても、遺失物に準じた扱いを受けます(同法第3条)。飼い主がいると思慮される、飼い主不明の犬や猫は「逸走した家畜」ですから、当然準遺失物です。

それ以外の犬や猫は遺失物法の適用を受けません。警察庁生活安全局長通知「遺失物法等の解釈運用基準について(通達)」(平成19年8月10日 警察庁丙地発第22号)第2(4)にはこう書かれています。

 

なお、野良犬や野良ねこは他人が占有していたものではなく、また、捨て犬や捨て猫は逸走したものではないので、いずれも「逸走した家畜」には該当しない。

また、犬又はねこが、野良犬又は野良ねこであるか否かについては、首輪及び鑑札の有無、拾得されたときの状況等を総合的に判断するものとする。

 

つまり、「所有者不明」の犬猫のうち、所有者がいる可能性がある犬猫は遺失物法の対象として警察が扱う(なぜか都道府県等への丸投げも可)、所有者がいない、または所有者に遺棄※された犬猫(無主物)は動愛法の規定により都道府県等が引取るということになります。

しかし現実には、本来警察が遺失物として処理すべき「逸走した家畜」としての犬猫が、当たり前のように都道府県等に流れ込み、無主物としての野良犬や野良猫と同じ扱いを受けています。

そもそも遺失物法第4条第3項の規定がおかしいのです。動愛法第35条第3項の規定による引取りが妥当である(=無主物である可能性が高い)と判断するのは拾得者ではなく警察のはずです(警察庁生活安全局長通知にもそう書いてあります)。また「所有者不明」として都道府県等に持ち込まれた犬猫のうち、所有者が存在する可能性が高いと判断されたものについて、警察に引き渡すことができる(もしくは都道府県等が保管したまま、警察が公告を行う)規定も必要です。この条文を誰が書いたか知りませんが、とにかく警察が動物から逃げようとしているようにしか読み取れません。

その結果、本来であれば少なくとも2週間は保管され、飼い主を探してもらえたはずの飼い犬や飼い猫が、早ければ数日で殺処分されてしまうなどということになってしまうのです。この規定は一刻も早く見直すべきと、私は思います。

 

※動物の遺棄は犯罪ですから、警察が捜査すべき事案です。遺失物法は関係ありません。

 

※一部文言を修正しました(2001年1月16日)