離乳前の子猫がアニマルシェルターに持ち込まれ、その多くがシェルターのリソース不足で安楽殺されているというのは、日米共通の問題です。そこでAlley CatAlliesが行っているキャンペーンが「Wait Until 8®」(8週齢まで待とう)です。
https://www.alleycat.org/take-action/wait-until-8-shelter-community-partnership-to-save-kittens-lives/
簡単に言うと「離乳前の子猫を保護したら、8週齢までは保護者が面倒を見てください。8週齢になったら、アニマルシェルターが引き取り、避妊去勢手術とワクチン接種を行い譲渡します」ということです。なぜ8週齢かというと、Alley CatAlliesが主張する避妊去勢手術の適齢期が8週齢または体重2ポンド(約900g)だからです。シェルター側から見た手順は以下のとおりです。
子猫の評価
子猫を保護した人から相談を受けたシェルターは、まずその子猫の週齢と健康状態を評価します。8週齢以下で健康であればWait Until 8の対象になります。8週齢を超えていれば、シェルターがそのまま引取り譲渡に回します。子猫の健康状態に問題がある場合、保護者が動物病院に連れていき医療費を負担するか、シェルターに委ねるかを話し合います。
Wait Until 8への参加依頼
子猫がWait Until 8の対象であれば、保護者にWait Until 8への参加を勧めます。その際には以下のことを伝えます。
・シェルターには離乳前の子猫をケアするリソースがないため、Wait Until 8に参加しなければ安楽殺される可能性がある
・8週齢まで子猫を育てるための資材やノウハウはシェルターが提供する
・8週齢に達すれば、子猫をシェルターが引き取り譲渡することが可能(もちろん、保護者が引取ることも可能)
保護者がWait Until 8への参加を了承したら、連絡先を交換します。シェルターによっては、契約書への署名を求めるかもしれません。
物資とノウハウの提供
保護者に子猫の世話に必要な資材一式を提供します(キットとして用意しておくことが望ましい)。また子猫の世話に関するマニュアルや連絡先一覧の資料も渡します。ただし最低限必要な情報(例えば保温の重要性、給餌の頻度と量、排泄の補助など)については口頭で伝えます。
子猫の返還と譲渡
子猫が8週齢または2ポンドに達すると、保護者に子猫をシェルターに戻してもらいます。子猫は健康診断を受け、避妊去勢手術を施し、駆虫やワクチン接種ののちに譲渡されます。もちろん保護者がシェルターの了承を受けて直接譲渡したり、自らが引取ることも可能です。