獣医師は診療を行った場合や、死体を検索した場合はその旨記録し保存する義務があります。動物管理機関における診療や安楽殺などはもちろん、運び込まれた負傷動物がすでに死亡していて、検索した場合にも記録が必要になります。
獣医師法(昭和二十四年法律第百八十六号)にはこう規定されています。
第二十一条 獣医師は、診療をした場合には、診療に関する事項を診療簿に、検案をした場合には、検案に関する事項を検案簿に、遅滞なく記載しなければならない。
2 獣医師は、前項の診療簿及び検案簿を三年以上で農林水産省令で定める期間保存しなければならない。
(以下略)
詳しいことは獣医師法施行規則(昭和二十四年農林省令第九十三号)にて規定されています。
第十一条 法第二十一条第一項の診療簿には、少なくとも次の事項を記載しなければならない。
一 診療の年月日
二 診療した動物の種類、性、年令(不明のときは推定年令)、名号、頭羽数及び特徴
三 診療した動物の所有者又は管理者の氏名又は名称及び住所
四 病名及び主要症状
五 りん告
六 治療方法(処方及び処置)
2 法第二十一条第一項の検案簿には、少なくとも次の事項を記載しなければならない。
一 検案の年月日
二 検案した動物の種類、性、年令(不明のときは推定年令)、名号、特徴並びに所有者又は管理者の氏名又は名称及び住所
三 死亡年月日時(不明のときは推定年月日時)
四 死亡の場所
五 死亡の原因
六 死体の状態
七 解剖の主要所見
保存期間についても、獣医師法施行規則で定められています(保存期間については、獣医師国家試験でよく出題されます)。
第十一条の二 法第二十一条第二項の農林水産省令で定める期間は、牛、水牛、しか、めん羊及び山羊の診療簿及び検案簿にあつては八年間、その他の動物の診療簿及び検案簿にあつては三年間とする。