車両の温度管理
動物を輸送する車両について、「第一種動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目(平成 18 年1月 20 日環境省告示第 20 号)」※1ではこう定められています。
必要に応じて空調設備を備える等により、動物の生理、生態等に適した温度、明るさ、換気、湿度等が確保されるようにすること。ただし、動物の健康及び安全を守るための特別な事情がある場合は、この限りでない。(第5条四のヘ)
具体的な温度管理については、ASVの”Guidelines for Standards of Care in Animal Shelters(2010)”※2に記載されています。
As in stationary facilities, the ambient temperature should be kept above 60°F (15.5°C), and below 80°F (26.6°C) . A thermometer should be placed in the animal area of the vehicle at the level of the animals.
固定施設と同様、周囲の温度は15.5°C以上、26.6°C以下に保つ必要がある。車両の動物エリアには、動物の高さに温度計を設置すること。
輸送時間と休息時間
輸送時間と休息時間について、「細目」ではこう規定されています。
動物の疲労又は苦痛を軽減するために、輸送時間はできる限り短くするとともに、輸送中は、必要に応じて休息又は運動のための時間を確保すること。(第5条四のチ)
「ガイドライン」には具体的な数字が記載されています。
All dogs and cats must be observed and allowed to rest every 4–6 hours. In addition, adult dogs must be allowed to exercise and eliminate every 4–6 hours. The AWA requires the driver or animal attendant to observe dogs and cats as often as circumstances allow, but not less than once every 4 hours. Maximum transport time to an intermediate or final destination shelter should be no more than 12 hours. Animals should not be left unattended when it may be detrimental to their health and safety.
すべての犬と猫は、4~6時間ごとに観察し、休息を与えなければならない。また、成犬は4〜6時間ごとに運動と排泄をさせなければならない。AWAでは、状況が許す限り、4時間に1回以上の頻度で、運転手または動物係員が犬や猫を観察することが求められている。中間目的地または最終目的地のシェルターまでの最大輸送時間は12時間以下でなければならない。動物の健康と安全に悪影響を及ぼす可能性がある場合は、動物を放置してはならない。
「細目」にはこのような規定もあります。
輸送中は、常時、動物の状態を目視(監視カメラ等を利用して行うものを含む。)により確認できるよう、必要な設備を備え、又は必要な体制を確保すること。ただし、航空輸送中についてはこの限りでない。(第5条四のロ)
※1 https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/laws/r02_nt_h180120_20.pdf
※2 https://www.sheltervet.org/assets/docs/shelter-standards-oct2011-wforward.pdf