動物取扱業においては、飼養又は保管をする環境(飼養環境)の管理が求められます。犬猫を飼養する場合、「基準省令」では以下のように定められています。
温度管理
・飼養施設に温度計及び湿度計を備え付けること。
・低温又は高温により動物の健康に支障が生じるおそれがないよう、飼養環境の管理を行うこと。
暑すぎる、または寒すぎる状態を示す目安は、下のとおりです。
<暑すぎる犬の状態>
・運動をしていないのに、ハアハアと口を開けて呼吸し熱を蒸散させる(パンティング)。または呼吸が浅く速い。
・よだれ/粘膜の充血やうっ血/頻脈
<暑すぎる猫の状態>
・開口呼吸(猫は口で呼吸しない)
・呼吸が浅く速い/パンティング/よだれ/けいれん
<寒すぎる犬の状態>
・体を小さく縮めたり、小刻みに震えたりする
<寒すぎる猫の状態>
・体を丸めたり、震わせたりする
・怒ったり驚いているわけでもないのに、毛を逆立てて体を膨らませる
臭気の管理
・臭気により飼養環境又はその周辺の生活環境を損なわないよう、飼養施設の清潔を保つこと。
・動物の糞尿から発生する「アンモニア」「メチルメルカプタン」は悪臭防止法における「特定悪臭物質」に指定されているため、濃度が規制値を超えないよう管理すること。
光環境の管理
・自然採光又は照明により、日長変化(昼夜の長さの季節変化をいう。)に応じて光環境を管理すること。
※ この規定は動物の夜間の休息時間確保と、照明による猫の人為的な繁殖コントロールを防止するためのもので、照明時間を日の出と日没に完全に合わせろという意図ではありません。
その他の環境管理
・動物の死体は、速やかにかつ適切に処理すること。
・動物の鳴き声、臭気、動物の毛等、ねずみ、はえ、蚊、のみその他の衛生動物等により、周辺の生活環境を著しく損なわないようにすること。特に、飼養施設が住宅地に立地している場合にあっては、長時間にわたる、又は深夜における鳴き声等による生活環境への影響が生じないよう、動物を管理すること。