アニマルシェルターの法的規制※2021年改訂版(11) 動物の飼養管理②

「基準省令」で定められた、譲渡し業における犬猫の飼養管理についての規定の続きです。

 

子犬・子猫の社会化への配慮(努力義務)

・幼齢な犬、猫等の社会化(その種特有の社会行動様式を身に付け、家庭動物、展示動物等として周囲の生活環境に適応した行動が採られるようになることをいう。以下同じ。)を必要とする動物については、その健全な育成及び社会化を推進するために、適切な期間、親、兄弟姉妹等とともに飼養又は保管をするよう努めること。

 

人との触れ合い

・犬又は猫を飼養又は保管する場合には、散歩、遊具を用いた活動等を通じて、犬又は猫との触れ合いを毎日、行うこと。ただし、傷病動物の飼養若しくは保管をし、又は動物を一時的に保管する等特別な事情がある場合にあっては、この限りでない。

※具体的には、ハンドリング、遊具(ボール、ぬいぐるみ、猫じゃらしなど)などによる触れ合いが想定されています。個体の状態(年齢や健康状態など)によって必要時間は異なるため、触れ合いの時間については規定されていません。

 

殺処分の回避(努力義務)

・第二種動物取扱業の廃止等により、飼養又は保管を継続することが困難な動物が生じた場合は、動物が命あるものであることにかんがみ、譲渡し等によって生存の機会を与えるよう努めること。

※飼養困難な動物の殺処分は必ずしも禁止されていませんが、殺処分は極力回避すべきというのがこの規定の趣旨です。

 

殺処分の方法

・疾病の回復の見込みがない場合等やむを得ず動物を殺処分しなければならない場合は、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によること。

※殺処分の方法については「動物の殺処分方法に関する指針(平成7年7月4日 総理府告示第 40 号)」により、安楽殺又は「社会的に容認されている通常の方法」によることとされています。

 

災害時の対応

・動物の飼養又は保管をする場合にあっては、災害時における動物の健康及び安全の確保並びに人の生命、身体又は財産に対する侵害の防止を図るために、平時より、職員間の連絡体制及び動物の逸走時の捕獲体制の整備、動物の避難方法の確立、餌の備蓄等の対策を講じること。