アニマルシェルターの法的規制※2021年改訂版(13) 台帳の作成と保存

第二種動物取扱業のうち、アニマルシェルターを含む譲渡し業の規制について見てきましたが、最後は動物の台帳の作成と保存に関する基準です。「基準省令」にはこう書かれています。

 

動物の譲受け、譲渡し、繁殖、死亡等の取り扱う動物の増減の状況について記録した台帳を調整し、これを5年間保管すること。ただし、犬猫等の譲渡しを業として行う第二種動物取扱業者が、法第24 条の4第2項において準用する同法第21 条の5第1項に基づき犬猫等の個体に関する帳簿を備え付けている場合は、この限りではない

 

つまり「基準省令」で書くまでもなく、犬猫等の譲渡し業の場合は、犬猫等の個体に関する帳簿を備えることが動物愛護法で規定されているのです。この規定は少し読みにくいのですが、まず準用元の条文を読んでみることにします。

 

第二十一条の五 第一種動物取扱業者のうち動物の販売、貸出し、展示その他政令で定める取扱いを業として営む者(次項において「動物販売業者等」という。)は、環境省令で定めるところにより、帳簿を備え、その所有し、又は占有する動物について、その所有し、若しくは占有した日、その販売若しくは引渡しをした日又は死亡した日その他の環境省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

 

この規定が譲渡し業に準用されるわけです。動物愛護法第24 条の4第2項にはこう書かれています。

 

前項に規定するもののほか、犬猫等の譲渡しを業として行う第二種動物取扱業者については、第二十一条の五第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「所有し、又は占有する」とあるのは「所有する」と、「所有し、若しくは占有した」とあるのは「所有した」と、「販売若しくは引渡し」とあるのは「譲渡し」と読み替えるものとする。

 

ややこしいので、読み替えた条文をお示しします。

 

第二種動物取扱業者のうち犬猫等の譲渡しを業として営む者は、環境省令で定めるところにより、帳簿を備え、その所有する動物について、その所有した日、その譲渡しをした日又は死亡した日その他の環境省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

 

さらに、動物の愛護及び管理に関する法律施行規則第10条の2で注事項が定められています。

・帳簿は犬又は猫を取り扱う場合は個体ごとに、それ以外の動物を扱う場合は品種等ごとに記載します。

・帳簿は、記載の日から5年間保存しなければなりません。

・帳簿は必ずしも紙ベースである必要はなく、パソコンデータ等でも可です。