RTFとTNR

RTF(Return-to-Field)とTNR(Trap-Neuter-Return)は、いずれも野良猫に避妊去勢手術を施し、ワクチン接種ののちに元の場所に戻す活動です。ではRTFはTNRとどう違うのでしょうか。

 

実施主体の違い

RTFとTNRの違いについて、Million Cat Challenge※1はこう説明しています。※2

 

These return-to-field (RTF) programs operate similarly to traditional TNR programs, with the exception that the cats have been admitted to a shelter at some point in the process.

これらのReturn-to-Field(RTF)プログラムは、従来のTNRプログラムと同様に運営されていますが、例外として、猫はプロセスのどこかの時点でシェルターに収容されています。

 

TNRとRTFは、やっていることはほぼ同じで、RTFはTNRの一形態であるともいえます。しかしTNRが地域住民によるボランティア活動として実施されているのに対し、RTFはアニマルシェルター(またはシェルターを運営する自治体)の事業として実施されます。そしてRTFはシェルターへの収容を伴います。ですのでRTFはSNR(Shelter-Neuter-Return)と呼ばれたりもします。

 

目的の違い

TNRもRTFも、最終目的は「野良猫の人道的個体数調整」にあります。しかし両者の目先の目的は明らかに異なります。TNRが「野良猫による苦情の軽減」や「野良猫の繁殖防止」に焦点を当てているのに対し、RTFはシェルターに収容されている、譲渡不適の野良猫を対象としていますから、安楽殺回避に焦点を当てています。Million Cat Challengeもこう述べています。

 

RTF programs often begin as a method to avoid euthanasia of unadoptable feral cats. There is perhaps no greater tool for reducing euthanasia of cats virtually overnight than RTF, because it focuses on the cats most at risk for shelter euthanasia.

RTFプログラムは多くの場合、譲渡不適の野良猫の安楽殺を回避する方法として始まります。それは安楽殺のリスクが最も高い猫を対象としているため、猫の安楽殺を一夜にして減少させるという点において、RTFよりも優れた方法はおそらくありません。

 

手術の実施

TNRもRTFも、避妊去勢手術とワクチン接種は独立のスペイクリニック※3、またはシェルターに付設されたスペイクリニックで実施されます。

 

※1 Million Cat Challengeとは、カリフォルニア大学デービス校とフロリダ大学のシェルターメディスン講座の共同プロジェクトで、Maddie's Fundが援助しています。

※2 https://www.millioncatchallenge.org/resources/return-to-field

※3 低廉な料金で大量の犬猫の避妊去勢手術を実施することに特化した動物診療所の総称です。もちろん、一般の動物病院が地域貢献活動として低廉な料金で実施することもあります。