多頭飼育問題の関係法令

「ガイドライン」には、多頭飼育問題への対応を行うにあたって関係する各種法令がまとめられています。各法令の詳細については割愛しますが、多頭飼育問題への対応のためにさまざまな法律を適用することができることと、逆に法律の縛りがあることをざっくりとつかんでいただければよいと思います。

 

飼い主の生活支援のための法令

社会福祉法 

生活保護法 

老人福祉法 

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)

介護保険法 

生活困窮者自立支援法

高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(高齢者虐待防止

法)

民法(第7条等成年後見制度)

児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV 防止法)

障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(障害者虐待防止法)

 

行政指導等を行うための法令

動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)

狂犬病予防法

悪臭防止法 

民法(建物明渡請求(強制退去))

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法、廃掃法)

消防法 

建築基準法 

化製場等に関する法律(化製場法)

動物愛護管理条例(飼い犬管理条例等含む)

犬の危害防止条例

不良な生活環境を解消するための条例関連(いわゆるごみ屋敷条例)

 

行政指導等を行うに当たって知っておくべき法令

民法 動物の所有権(第206 条)

刑法 住居侵入罪(第130 条)、窃盗(第235 条)、器物損壊(第261 条)※

警察官職務執行法 第213 条「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる」。

 

対応全般を通して知っておくべき法令

個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)

個人情報保護条例

 

※動物を保護する際には、刑法の規定をよく理解しておく必要があります。例えば

動物の保護のため無断で他人の敷地に立ち入る→住居侵入罪(第130 条)

飼い主に無断で動物を保護する→窃盗(第235 条)

飼い主に無断で動物に生殖能力を失わせる手術を行う→器物損壊(第261 条)

にあたるおそれがあります。

 

※ 環境省「人、動物、地域に向き合う多頭飼育対策ガイドライン~社会福祉と動物愛護管理の多機関連携に向けて~」P43-51