多頭飼育問題を探知したら
多頭飼育問題を探知した場合の初期対応について、「ガイドライン」にはこう記載されています。
・早期の段階で社会福祉部局、動物愛護管理部局間で情報共有する(個人情報の取扱いに注意)。
・通報者等からの聞取り、その他情報収集、現地調査等を行い、「探知チェックシート」に記入して情報を整理する。
・その後の対応(「対応」「見守り」「対応不要」)について判断する。
多頭飼育問題に陥るリスクが高い段階での探知
多頭飼育問題を未然に防ぐためには、多頭飼育問題に陥るリスクが高い状態を早期に探知
することが重要です。そのための工夫として「ガイドライン」にはこう例示されています。
・近隣住民や民生委員など飼い主に比較的近い立場にある地域の関係者に、多頭飼育問題の影響や早期対応の重要性を認識してもらう。
・多頭飼育問題に陥る可能性のある世帯等について、地域の関係者にアンケート調査を実施する。
・多頭飼育問題の状況判断を容易にし、どのような対応を行うかについて整理したフローチャートを作成する。
・ペット関連事業者に多頭飼育問題について周知し、飼い主への適正飼養についての情報提供や多頭飼育問題に陥るリスクが高い状態の通報等について協力をお願いする。
探知したハイリスク者に対して「ハイリスクアプローチ」を行います。動物愛護管理部局の担当者や社会福祉部局の担当者が役割を分担しながら、飼い主に以下のような情報提供、助言、指導等を行います。
・繁殖制限措置を講じなければあっという間に動物の個体数が増加してしまうこと
・それにより引き起こされる問題
・繁殖、拾得、譲渡、購入等の動物の増加要因に応じた対策
多頭飼育問題の初期段階での探知・発見
既に飼い主の飼育可能頭数を超えた、もしくは超えつつある動物を飼育しているものの、かろうじて問題化していないような初期段階で発見された場合、上記に加えて、飼い主に対して以下のような指導等を行います。その際には必要に応じて動物愛護ボランティアにも加わってもらいます。
・不妊去勢手術を行う動物を特定し、実施する日、実施する場所(動物病院)、費用負担等について、飼い主と相談して決める
・家屋の内外が動物の飼育環境として清潔に保たれているか等を確認し、不適切な場合は
改善させ、定期的に見守りに来る旨を伝える
・初期段階であっても、飼い主の健康状態等によって十分な世話ができない状況等がみられる場合は、譲渡団体への譲渡等を決断してもらう
多頭飼育問題の発見
いわゆる多頭飼育崩壊と称される段階で発見された場合、生活環境や生活安全の問題が周辺に及ぶことにより、飼い主と近隣住民との関係性がかなり悪化している可能性があります。また住宅等管理業者等からの退去要請・退去命令を巡るトラブルから多頭飼育問題が発見されることもあります。ですので、そうなる前に早期発見することが望ましいといえます。
※ 環境省「人、動物、地域に向き合う多頭飼育対策ガイドライン~社会福祉と動物愛護管理の多機関連携に向けて~」P55-58