多頭飼育問題の対応にかかる注意事項

多頭飼育問題への対応にあたっては、いくつか注意事項があります。「ガイドライン」の記述から見ていきます。

 

個人情報の取扱い

多頭飼育問題の解決にあたっては各関係主体等による情報共有が必要ですが、その際には個人情報保護への配慮が必要になります。個人情報の共有のためには、個人情報の取得時に利用目的を明確化し、利用にあたって本人同意を得ておくことが原則ですが、同意が得られない場合には、法令に基づく手続きにより可能な限りの情報を共有することになります。

 

地方自治体→各自治体の「個人情報保護条例」

民間事業者→「個人情報の保護に関する法律(平成15 年法律第57 号)」(いわゆる「個人情報保護法」)

その他、厚生労働省「福祉関係事業者における個人情報の適正な取扱いのためのガイドライン(平成16年)」「医療・介護関係事業者における個人情報の適正な取扱いのためのガイドライン(平成16 年)」「福祉分野における個人情報保護に関するガイドライン(平成25 年)」も適用の基本となります。

 

立入検査の体制

動物愛護管理法第25 条第5項の規定に基づく立入検査を実施する際には、以下の点に注意する必要があります。

 

・立入の根拠を明確にした上で、事前に飼い主等の了承を得ることが望ましい。

・飼い主の家屋等に立ち入る際には、身分証明証を携帯し、関係者にこれを提示する。

・トラブル防止の観点から2名以上の職員で対応する。

・トラブルが発生することが予見される場合は、必要に応じて警察に協力を要請する。

・動物愛護管理部局と社会福祉部局等、様々な関係主体が連携して対応する。ただし相手方の心理的負担軽減の観点から、多人数による訪問はあらかじめ了解を得るか、分散して訪問するといった配慮が必要。

 

動物由来感染症の予防

多頭飼育問題の現場で蔓延している感染症の中には、動物から人間に感染する、いわゆる動物由来感染症も存在します。現地調査や立入検査等を実施する場合には、感染予防に十分配慮する必要があります。

 

・現場に立ち入る際には、必要に応じてマスクや手袋、ゴーグル等、感染から身を守るための装備について関わる人全員分を準備する。ただし感染予防の装備をして立入りを行う旨をあらかじめ飼い主に伝えておくことが必要。

・感染症の有無が確認できるまでは、動物との接触は可能な限り控える。

・立入検査後は立入りを行った職員自身だけでなく、職場の同僚や家族への感染予防にも配慮し、現場の状況に応じて、手洗いや消毒、着衣の交換等の衛生対策を適切に行う。

・動物由来感染症に関する知識を身に着けるとともに、連携先の活動主体とも情報を共有し、感染予防に対する共通認識を持っておく。

・動物由来感染症が確認された場合は、必要に応じて迅速に関係部局等に情報共有し、感染防止対策等について検討する。

 

「ガイドライン」には多頭飼育状態で蔓延する可能性がある動物の感染症についてまとめられています。この表をベースに、人間に感染する可能性がある感染症について下表でお示しします。

 

※ 環境省「人、動物、地域に向き合う多頭飼育対策ガイドライン~社会福祉と動物愛護管理の多機関連携に向けて~」P71-79