ペットの猫の手術とは異なり、community catの手術にはいくつかの注意点があります。「マニュアル」から列挙します。
切開の大きさ
Minimize incision size since it will not be possible to monitor the incision for more than two or three days.
2~3日以上の経過観察ができないため、切開は最小限にします。
「手術部位をしっかり観察するために大きく切開する」ことが外科手術の基本で、避妊手術とて例外ではありません。しかしペットの猫とは異なり、野良猫は術後の切開部のケアが極めて困難なため、"spay hook"という器具を用いて、最小限の切開部から子宮と卵巣を吊り出して切除するという手術方法を用います。
腹壁の縫合
Avoid crushing sutures in the body wall – tighten them to apposition only to avoid tissue necrosis and discomfort for the cat.
体壁で縫合糸を強く締めないでください-組織の壊死や猫の不快感を避けるために、並置するように縫合します。
皮膚の縫合
Reinforce with tissue glue – it is not possible to do a suture removal on these cats and it will also not be possible to check the integrity of the incision once the cat is released.
(皮下組織の縫合後は)組織接着剤で補強します。このような猫では抜糸をすることができませんし、猫が解放された後に切開部の完全性を確認することもできません。
一般的な外科手術では、切開した皮膚は皮下組織を縫合したのちに非吸収糸やワイヤー、ステープラーなどによって閉じられ、傷口が完全に閉じれば抜糸されます。しかし野良猫は抜糸が困難なため、このような方法は使えません。そのため、皮下組織を寄せて吸収糸で縫合し、皮膚表面は組織接着剤で補強するのです。これも最小限の切開であるからこそできることなのです。
切開部位の刺激防止
These cannot be worn by community cats either before or after release. Therefore, it is important to avoid anything that will cause irritation to the incision site and therefore cause the cat to lick or scratch at the incision. Do not use peroxide to clean the skin after surgery, as this is irritating.
(エリザベスカラーは)退院前も退院後もcommunity catには装着できません。したがって、切開部位に刺激を与え、そのために猫が切開部位を舐めたり引っかいたりするようなものは避けることが重要です。手術後の皮膚の洗浄にオキシドールを使用してはいけません。これは刺激になるからです。
※ ASPCA”Special Considerations for Community Cats at Spay/Neuter Clinics Best Practices for Medical and Management Protocols”p10