野良猫の「人道的」捕獲とは

いくらTNRのためとはいえ、野良猫の不適切な捕獲は虐待にあたるので注意が必要です。米国のTNR推進団体のAlley CatAlliesはこう警告しています。

 

Only use a humane box trap or drop trap to trap a community cat. (Never use darts or tranquilizers.)

community catを捕獲する際には、人道的なボックストラップまたはドロップトラップのみを使用してください(ダーツや精神安定剤は決して使用しないでください)。 

 

ボックストラップとは、一般的な箱型の捕獲器です。ドロップトラップとは、かご型の檻を上からかぶせるタイプの捕獲器です。それ以外の、例えば猫を追い込んで網や器具で捕まえるようなやり方は虐待にあたる可能性がありますし、猫を極度に興奮させることにもなりますので絶対に避けるべきです(子猫ならともかく、成猫はそんなことでは捕まらないのですが)。ましてや薬物を用いるなどもってのほかです。

そのため、野良猫を人道的に捕獲するには入念な計画と準備が必要です。Alley CatAllies(2017)は、例としてこのようなスケジュールを示しています。

 

・手術日の3週間くらい前に計画と準備を行い、捕獲器をセットする

・捕獲器が作動しない状態で、1~2週間かけて餌付けをする

・手術の2日前にいったん餌付けをやめ、猫を空腹にさせる(水は与える)

・手術前日に捕獲器を作動させ餌をセットし、捕獲する。

・手術翌日に元の場所に戻す

 

特に計画と準備には1週間程度をかけるとしています。なぜなら、猫の人道的捕獲には様々な調整が必要だからです。例えば、

 

・猫ボランティア同士の調整

・地域住民への説明

・手術を実施するクリニックとの調整

・猫を捕獲してからクリニックに移送する際の一時保管場所の確保

・物資の準備(人員、餌、その他消耗品)

・捕獲器の準備と作動確認

 

そして手術日か確定すれば、そこに向けて餌付けと捕獲を行うことになります。

専門のスペイクリニックなら大丈夫だと思いますが、一般の動物病院に手術を依頼する場合には次の点について確認しておく必要があります。

 

・TNRに対応した術式が可能かどうか(抜糸や術後鎮痛は困難)

・急な頭数変更に対応可能かどうか(予定通り捕獲できなかったり、逆に予想以上に捕獲できてしまったりするのが「TNRあるある」です)

・手術後即日退院が可能かどうか(病院の方針により、一晩入院が必要な場合もあります)

 

※ https://www.alleycat.org/resources/how-to-help-community-cats-a-step-by-step-guide-to-trap-neuter-return/