Million Cat Challenge(#allthecats)は、アニマルシェルターによる猫の安楽殺を減らすための「5つの取り組み」の3つ目として「ケア能力(Capacity for care)」をあげています。公式ホームページ(https://www.millioncatchallenge.org/resources/capacity-for-care)から見ていきます。
「5つの自由」と「ケア能力」
Capacity for care (C4C), considered holistically, means meeting the needs of each cat admitted to a shelter, whether feral or friendly, stray or owner surrendered, young or old.
ケア能力(C4C)とは、全体的に考えると、野良猫または人懐れした猫、迷子の猫または飼い主から引取った猫、そして若い猫または年老いた猫など、シェルターに収容されたそれぞれの猫のニーズを満たすことです。
それぞれの猫のニーズを満たすためには、動物福祉の「5つの自由」に基づいた管理が担保されなければなりません。「5つの自由」をおさらいすると下のとおりです。
「ケア能力」とは「5つの自由」を担保するためにアニマルシェルターが保持すべき「収容施設(facility/housing)」「人員(staffing)」「財源(financial resources)」の総体であるといえます。いくら立派な施設があっても、そこで働くスタッフが足りなかったり、財源不足で餌が買えなかったりすると「5つの自由」が担保されないからです。
そして収容頭数は「ケア能力」を超えてはなりません。
The Association of Shelter Veterinarian’s Guidelines for Standards of Care in Animal Shelters warns:
Every sheltering organization has a maximum capacity for care, and the population in their care must not exceed that level.
On the surface, this seems like a simple and logical statement. Operating within an organization’s ability to provide care is the foundation on which all other guidelines for care must rest. If the facility is insufficient to provide appropriate housing, if staff members don’t have time to keep animals clean and well fed, if the environment is barren of enrichment due to limited resources, inevitably some elements of animals’ mental or physical well-being will be compromised.
ASV(シェルター獣医師会)のガイドラインはこう警告しています。
「すべての動物保護団体には最大収容頭数があり、収容数はその数を超えてはならない」
これは一見、シンプルで論理的な言葉のように見えます。組織がケアを提供する能力の範囲内で運営することは、他のすべてのケアのガイドラインの基礎となります。適切な住居を提供するための施設が不足している場合、スタッフが動物を清潔に保ち、十分な食事を与えるための時間がない場合、限られたリソースのためにエンリッチメントが提供できない環境である場合、必然的に動物の精神的または肉体的な幸福の要素が損なわれます。