アニマルシェルターにおいて「5つの自由」を満たすためには、「ケア能力」に見合った収容頭数を厳守する必要があります。にもかかわらず、アニマルシェルターには過剰収容の問題が付きまといます。そのためには「ケア能力」を拡大する必要があります。その具体策について、Million Cat Challenge(#allthecats)(https://www.millioncatchallenge.org/resources/capacity-for-care)は、次の3つを挙げています。
受け入れ数の削減(intake can be decreased)
収容能力の増加(capacity can be expanded)
収容期間の短縮(length of stay can be reduced)
受け入れ数の削減
受け入れ数の削減は「受け入れ拒否」ではなく、代替手段の提供により達成すべきです。
Reduction in intake, while a worthwhile and attainable goal, should be realized through providing positive alternatives to shelter admission, keeping pets in their homes, and reducing the number of unwanted animals in the community. This requires an active investment of shelter resources.
受け入れ数の削減は、価値のある達成可能な目標ではありますが、シェルターへの入所に代わる積極的な選択肢を提供し、ペットを家庭にとどめ、地域で望まれない動物の数を減らすことで実現すべきです。そのためには、シェルターのリソースを積極的に活用する必要があります。
収容能力の増加
シェルターの収容能力を増加させることはもちろん望ましいですが、そうもいかない場合も多いのです。
Expanding physical and staffing capacity likewise requires additional investment, sometimes on an ongoing basis.
物理的およびスタッフの収容能力を増加するには、同様に追加投資が必要で、時には継続的に行われます。
These investments are well worth it, especially where the alternative is operating chronically beyond capacity with all the attendant compromises to feline (as well as staff and volunteer) welfare. However, finding the resources to make such changes can be challenging when the shelter is already crowded beyond capacity for care.
特に、慢性的に収容能力を超えた状態で運営され、猫やスタッフ、ボランティアの福祉が損なわれている場合※には、こうした投資は十分に価値があります。しかし、シェルターがすでに収容能力を超えて混雑している場合、このような変更を行うためのリソースを見つけることは困難です。
収容期間の短縮
シェルターメディスンにおいては、動物のシェルターへの収容期間を短縮することで収容能力を増加させることが推奨されています。もちろん、シェルター都合の安楽殺を行わないことが前提です。
Reducing length of stay without compromising live outcomes requires a combination of appropriate housing and active management of each cat’s pathway through the shelter.
生かす結果を減少させずに収容期間を短縮するには、適切な住居と、シェルター内での各猫の経路を積極的に管理することの組み合わせが必要です。
※ 収容動物の福祉が損なわれているシェルターのスタッフやボランティアもまた、精神的疲労により福祉が損なわれています。なぜなら彼らは基本的に動物が好きで、動物に感情移入しやすい人たちだからです。