Million Cat Challenge(31) 「元の場所に戻す」その5

Million Cat Challenge(#allthecats)は、アニマルシェルターがRTF(シェルターに収容された野良猫を避妊去勢手術ののちに元の場所に戻す事業)を実施する際の猫の健康上の懸念について以下のように述べています。(https://www.millioncatchallenge.org/resources/return-to-field)

 

野良猫の健康状態の判断

Research and experience have revealed that expanding RTF to include unidentified, healthy stray cats in good body condition and old enough to fend for themselves is better for cats, communities, and the shelter. The health status of the cats is taken as direct evidence they have access to sufficient food and shelter to maintain their condition, provided they are returned promptly to the same location where they were found.

調査と経験から、体調が良く、自活できる年齢に達している飼い主不明の健康な野良猫にRTFを拡大することが、猫にとっても、地域社会にとっても、シェルターにとっても良いことであることは明らかです。猫が健康であることは、発見されたときと同じ場所に速やかに戻されることを前提として、猫がその状態を維持するのに十分な食料とねぐらを利用できることを示す直接的な証拠と見なされます。

 

野良猫の健康状態への懸念

In a study of more than 100,000 stray and feral cats examined in spay/neuter clinics in six states, less than 1 percent of cats were euthanized due to debilitating conditions, trauma, or infectious diseases. (Wallace 2006)

6つの州のスペイクリニックで検査された10万匹以上の野良猫を対象とした研究では、衰弱した状態、外傷、感染症などが原因で安楽殺された猫は1%未満でした。(Wallace 2006)

 

猫がスペイクリニックに持ち込まれている時点で見た目が健康であることが前提ですから、この数字は当然といえば当然です。しかし術前検査で健康上の問題が発見される猫が一定数存在することも事実です。

 

安楽殺に至らないとしても、猫の健康状態が悪く避妊去勢手術を断念せざるを得ないこともあります。また治療のために一定期間の入院が必要となることもあります。また、猫を元の場所に戻すことを断念し譲渡に振り向けるようなケースも発生します。こういった場合にスムーズな路線変更が可能であることが、シェルター事業としてのRTFの強みといえるかもしれません。