RTFの法的問題
Million Cat Challenge(#allthecats)は、アニマルシェルターがRTF(シェルターに収容された野良猫を避妊去勢手術ののちに元の場所に戻す事業)を実施する際の法的問題について述べています。(https://www.millioncatchallenge.org/resources/return-to-field)
Despite the tangible benefits of RTF and TNR programs for managing community cats, they are sometimes challenged by officials and opponents who claim that the programs are prohibited under local, state, or federal laws. Another objection comes with the claim that any type of RTF program constitutes “abandonment” that falls under anti-cruelty statutes.
地域の猫を管理するためのRTF事業やTNR活動には具体的なメリットがあるにもかかわらず、その事業が地域、州、または連邦の法律で禁止されていると主張する関係者や反対者から異議を唱えられることがあります。また、どのようなRTF事業であっても、それは「遺棄」であり、虐待防止法に違反するという主張もあります。
In truth, there are no state or federal laws that address community cat management. However, laws pertaining to cats are commonly found at the local level. A review of legal precedent and common municipal ordinances found that concepts of “ownership” and “abandonment” clearly do not apply to community cat caregivers and should not be raised as a barrier to implementing RTF programs.
実際のところ、地域の猫の管理を扱う州法や連邦法はありません。しかし、猫に関する法律は地域レベルでよく見られます。判例や一般的な自治体の条例を検討した結果、「所有権」や「遺棄」の概念は明らかに地域の猫の管理者には当てはまらず、RTF事業を実施する上での障害として提起すべきではないことがわかりました。
The process of collecting an unowned cat from the neighborhood, having it neutered, and returning it to the original location does not create an ownership relationship.
飼い主のいない猫を近所から集めて、避妊去勢手術をして、元の場所に戻すだけでは、所有権は発生しません。
※日本の場合
日本においては、環境省自然環境局総務課長通知「動物の愛護及び管理に関する法律第44条第3項に基づく愛護動物の遺棄の考え方について」(平成26年12月12日環自総発第1412121号)において、猫の所有権の有無を問わず「移転又は置き去りにして場所的に離隔することにより」「生命・身体を危険にさらす行為」が「遺棄」とされています。ですので、避妊去勢手術後の野良猫を麻酔からの回復が不十分な状態、もしくは何らかの処置が必要な状態で元の場所に戻す行為は「生命・身体を危険にさらす行為」とみなされ、「遺棄」に問われる場合があります。