Million Cat Challenge(33) まとめ

Million Cat Challenge(#allthecats)が提唱する、猫の安楽殺を減らすためにアニマルシェルターが取り組む「5つの取り組み」(https://www.millioncatchallenge.org/about/the-five-key-initiatives)について見てきましたが、最後に簡単にまとめておきます。

 

収容の代替(Alternatives to intake)

保護が必要なすべての猫を受け入れるのがシェルターの社会的責務ではありますが、それをやっていてはいつまでも収容数は減らず、結果的に安楽殺せざるを得ない猫の数が増えてしまいます。そのため、シェルターに収容しなくてもよいのであれば代わりの方法を検討するということです。例えば…

 

飼い主が手放そうとしている猫→手放そうとする理由を聞きとり、飼い続けるためのサポート、もしくは譲渡のサポートを行う

野良猫→地域活動(TNR)に誘導する、もしくはRTFを実施する

 

管理された受入れ(Managed Admission)

猫を無秩序に受け入れるのではなく、シェルターの能力に合わせて、予約制や順番制により猫の受入れを管理します。これは決して「受け入れ拒否」ではありません。受け入れを効率化することによって、受入れ数はかえって増加することが多いとMillion Cat Challengeはいいます。

 

ケア能力(Capacity for care)の管理

猫の収容数を「5つの自由」が担保できる数と一致させます。場合によってはシェルターのケア能力を拡大することも必要ですが、必ずしもシェルターの物理的拡張が必要なわけではなく、収容管理の効率化により収容期間を短縮しケア能力を拡大させることもできます。

 

譲渡の障壁の除去(Removing barriers to adoption)

猫の譲渡数を増やすため、尋問や取調べによる譲り受け者の選別ではなく、対話とコミュニケーションによるマッチングにより、その猫にふさわしい譲り受け者を決定していきます。また譲渡手数料を低廉または無料にしたり、休日に大規模譲渡会を開催するなど、譲渡のすそ野を広げる取り組みも必要です。

 

元の場所に戻す(Return to field)

譲渡が難しい野良猫の安楽殺を回避するため、避妊去勢手術とワクチン接種を施し元の場所に戻します。やっていることはTNRと大差ありませんが、TNRが地域活動であるのに対し、RTFはシェルター事業であることが異なります。TNRと同じく、RTFの場合も地域住民に説明し理解を求めることが必要です。