Feral Freedom(5) Feral Freedomの始まり

Feral Freedomの歴史について、”The Feral Freedom Guide”(https://www.fcnmhp.org/wp-content/uploads/2013/11/FeralFreedomGuide.pdf)から見ていきます。

 

Feral Freedomの始まり

2008年、ジャクソンビル市環境・法令順守部長のエベネゼル・グジャラプディ(Ebenezer Gujjarlapudi)が、ジャクソンビル市動物管理・保護サービス(City of Jacksonville Animal Care & Protective Services (JACPS) )の暫定所長に就任しました。

 

An engineer by trade without animal welfare experience, he researched all aspects of animal shelters, including the impact of feral cats. The Feral Freedom program came about as a result of his ability to think “outside of the box” and seek practical solutions. His unique perspective on the problem, untainted by past involvement, led to the development of an effective solution to the issue of free-roaming cats in Jacksonville. 

 

技師でありながら動物保護の経験がない彼は、野良猫の影響を含め、アニマルシェルターのあらゆる側面を研究しました。Feral Freedom事業は、彼の「既成概念にとらわれない」実践的な解決策を求める能力の結果として生まれました。前例にとらわれない彼のユニークな視点が、ジャクソンビルの野良猫問題に対する効果的な解決策を導き出しました。(p4)

 

グジャラプディは野良猫を殺処分しないという方針を打ち出しました。その代わり、シェルターに引取られたすべての野良猫は、FCNMHPやその他の動物福祉団体に引き渡されることになりました。これらの団体は野良猫に避妊去勢手術、ワクチン接種、マイクロチップ装着、耳カットののちに元の場所に戻します。2008年8月1日、ジャクソンビル市からFCNMHPに初めて野良猫が移送されました。

 

すべての野良猫にFeral Freedomを!

当初Feral Freedom事業においては、人慣れしておらず譲渡が難しい「野生の」(feral)野良猫の殺処分を避けるため、避妊去勢手術後に元の場所に戻していました。しかしたとえ同じ場所で暮らしていたとしても、譲渡の可能性がある人慣れした野良猫については依然としてシェルターに収容され、場合によっては殺処分の対象になっていました。こういった「命の選別」はおかしいのではないかという考え方からガイドラインを改正し、「特定の家を持たず野外において自力で生活している(living outside with no specific home and doing well on their own)」猫であれば、人慣れしていてもすべてFeral Freedomの対象となりました。この結果、年間4,500匹の野良猫(community cats)が事業の対象となり、シェルターで死亡する猫の数はたちまち50%減少しました。