Feral Freedom(30) ステップ5:実施要領の決定<サービスの内容>

Feral Freedomの実施要領で定めるべき「サービス内容」について、「ガイド」には下のように記述されています。

https://www.fcnmhp.org/wp-content/uploads/2013/11/FeralFreedomGuide.pdf

 

どのようなサービスを提供するか?(What services will be provided?) 

When the Jacksonville program was launched, it initially provided more services for cats than it does today. Originally, each cat received spay/neuter surgery, rabies and FVRCP vaccinations, flea and ear mite treatment, and microchipping. The program no longer microchips the cats and now only provides flea and ear mite treatment if needed. Thanks to the support of a generous donor, the program has been able to continue providing FVRCP vaccinations to all cats. 

 

ジャクソンビルの事業が開始された当初は、現在よりも多くのサービスを猫に提供していました。当初は、それぞれの猫に避妊去勢手術、狂犬病とFVRCPの予防接種、ノミと耳ダニの治療、マイクロチップの装着を行っていました。現在では、マイクロチップの装着は行わず、必要に応じてノミや耳ダニの治療を行うのみとなっています。寛大な寄付者の支援のおかげで、この事業においてはすべての猫にFVRCPワクチンを接種し続けることができました。(p11)

 

サービスについての考え方(のらぬこの意見)

狂犬病予防接種:米国は狂犬病発生国のため、狂犬病予防接種未接種の野良猫をリターンすることは、公衆衛生上容認されません。日本においては狂犬病発生のリスクは極めて低く、飼い猫への接種も義務付けられていないことから、不要であると考えられます。

 

FVRCP(3種混合)ワクチン接種:FVRCPとは猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症をさします。野良猫の間で感染症が蔓延し、明らかに体調不良の猫が目に付くことは近隣住民の不安要因となるので、接種することが望ましいですが、1匹につき約800円のコストをどう考えるかという判断になると思います。

 

ノミ、耳ダニの治療:著しい感染が認められれば処置するという考え方でよいと思います。

 

マイクロチップ(MC):当初Feral Freedom事業でMC装着が実施されていたこと自体驚きで、現在は取りやめているというのは賢明な選択であると思います。捕獲した猫にMCのスキャンを実施する目的は、飼い猫でないことの確認(飼い猫すべてにMCが装着されているとは限りませんが、MCが装着されていれば少なくとも飼い猫であることはわかります)ですし、MCで管理しなくても避妊去勢手術実施済であるかどうかは耳カットで確認できますので、野良猫にMCを装着するメリットはあまりありません(逆に飼い猫にはMCを装着すべきと考えます)。