Targeting(集中的TNR)は、コロニーレベルだけではなく地域レベルでも実施することができます。しかし規模が大きくなる分、多少ややこしい話になってきます。Bryan Kortis (2014)の” PetSmart Charities Community TNR: Tactics and Tools”を参考に、できるだけわかりやすく述べていきたいと思います(p27-29を参考にしました)。
コロニーレベルのTargeting
まず、コロニーレベルのTargetingについて考えてみましょう。例えば「猫町」という地域があり、そこに100匹の外猫がいると仮定します。この町は郵便番号(ZIP code)によっての4つの地区に分かれています。それぞれの地区には25匹の猫がいて、さまざまな大きさのコロニーを形成しています(図5)。
「猫町」のTNR手術能力を20匹と仮定します。もし「猫町」TNRがTargetingを行わず、先着順にTNRを行ったとしたら、図6のようになると予想されます。以下、手術済みの猫を青で示します。
どのコロニーも手術済みの猫が過半数に満たないため、TNRによって規模が縮小し始めることはありません。その結果、「猫町」の外猫の個体数も全体として減少することはありません。
もし、コロニーレベルのTargetingが行われていれば、20件の手術は図7のように割り当てられたかもしれません。
この場合、構成員のすべて、またはほとんどが避妊去勢手術を受けているコロニーが5つあります。これらのコロニーが縮小に転じれば、「猫町」全体の外猫の個体数も減少する…はずなのですが、話はそんなに単純ではありません。続きは次回で。