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Return to FieldとTNRを組み合わせる その2

Bryan Kortisの” PetSmart Charities Community TNR: Tactics and Tools”において、外猫の個体数を減らすためには Return to Field(RTF)とTNRを「組み合わせる」ことが有効と述べられています。それはどういうことなのか、72ページから75ページを参考に簡単に述べていこうと思います。

 

例1:TNRをRTFに合わせる

RTFとTNRを「組み合わせる」とはどういうことか、以前にも登場した架空の「猫町」を舞台に考えていくことにしましょう。RTF対象の猫は、管轄地域全体からアニマルシェルターにやってきて、その猫に避妊去勢手術を施し元の場所に戻します。戻したコロニーでコロニーレベルのTargeting(集中的TNR)を実施するようにすれば、相乗効果が生まれます。例えば図22のようになります。ここではTargetingの対象猫を青、RTFの対象猫を赤で示します。

例2:RTFと無関係にTNRを実施する

コロニー単位ではなく、地域単位でTargetingを行う場合、必ずしもRTF対象の猫がいるコロニーが対象になるとは限りません。例えば「郵便番号3」地区をTargetingの対象とする場合、図23のようになると考えられます。

この場合、RTFは「郵便番号3」地区の猫の個体数減少に寄与しますが、それ以外の地域においてはそうではありません。つまり「非効率」が発生するのです。

 

例3:RTFをTNRに合わせる

「非効率」は許せない!というのであれば、RTFをTargeting対象地区に限定するという手もあります。例えば図24のように、RTFを「郵便番号3」地区のみとし、RTFのためのシェルターの手術枠を「郵便番号3」地区のTNRに割り当てるというわけです。

しかし例2の場合「非効率」が発生しますし、例3の場合はRTFの本来の目的である「安楽殺の回避」の妨げになる可能性があります。そのため、地域の事情を考慮し慎重に考える必要があります。