· 

捕獲器バンクの運営(Trap bank procedures) その2

野良猫のTNR、特に一斉捕獲を行う場合、大量の捕獲器が必要となります。必要数の捕獲器を野良猫の世話人に購入させることは非現実的なため、TNR実施機関が貸し出す必要があります。それがいわゆる「捕獲器バンク(Trap bank)」です。「捕獲器バンク」の運営について、Bryan Kortis (2014)の” PetSmart Charities Community TNR: Tactics and Tools”から見ていきます。

 

仕切り板(Trap divider)も必要

Trap dividers are also needed, so that the cat can be sectioned off on one end while the door on the other is opened for feeding and cleaning. Almost every trap manufacturer also makes a divider, but not all dividers are strong enough to be safe for these purposes. Check the “Neighborhood Cats TNR Handbook,” 2nd edition, for their trap recommendations. Always use dividers in pairs, placing them back to back in the trap, for additional security. It is not necessary to buy a pair for each trap, as the same pair of dividers can be used for all cats trapped as part of the same project. Have at least a few pairs in inventory so that there will be enough dividers available if multiple projects are going on simultaneously.

捕獲器の仕切りも必要で、片方は猫を区分けし、もう片方は給餌や清掃のために扉を開けることができるようにするためです。ほとんどの捕獲器メーカーが仕切り板を製造していますが、すべての仕切り板が十分な強度を持ち、これらの用途に安全に使用できるわけではありません。「Neighborhood Cats TNR Handbook」第2版で、その推奨捕獲器を確認してください。仕切り板は必ず2枚1組で使用し、捕獲器の中で背中合わせに置くとより安全です。同じプロジェクトで捕獲するすべての猫に同じ仕切り板を使用できるため、捕獲器ごとに一組ずつ購入する必要はありません。複数のプロジェクトが同時に進行している場合でも、十分な数の仕切り板を利用できるように、少なくとも数組の在庫を用意してください。(p106)

 

(のらぬこの補足)Trap dividerがあるとメチャクチャ便利です。日本ではあまり普及していないので、100円ショップで売っている園芸用の支柱を何本か捕獲器に刺して猫を保定したりしますが、あまり見た目の良いものではありません。Trap dividerがどんなものかは、ここを参照してください。

 

ドロップトラップもあると便利

一般的な捕獲器は「箱罠(box trap)」ですが、遠隔操作でかごを直接猫の上に落として捕獲する「ドロップトラップ」も1つ以上備えておくとよいでしょう。ドロップトラップは警戒心が強く捕獲器に入らない猫や、体重が軽く捕獲器が作動しない子猫の捕獲に威力を発揮しますし、特定の猫をピンポイントで捕獲する際にも必要になります。ドロップトラップは単なるかごですので、ケージの代わりにはなりません。そのため捕獲後の猫は捕獲器や移動用ケージに移す必要があります。(p107-108)

ドロップトラップがどのようなものかは、ここを参照してください。