低体温の予防(Hypothermia Prevention Care) その1

ASPCA (米国動物虐待防止協会)のスペイクリニック(犬猫の避妊去勢手術に特化した動物病院)の新人研修マニュアル“Just-in-Time On-boarding Manual” (2020)から、低体温の予防(Hypothermia Prevention Care)について見ていきます。

 

低体温予防の意義

• Preventing hypothermia is critical for anesthetized patients to avoid slow recovery.

麻酔をかけた患者にとって、低体温を防ぐことは回復を遅らせないために重要です。(p4)

 

• Maintaining a hypothermia protocol will help maintain a high standard of care as the number of patients increase.

低体温予防の手順を維持することは、患者数が増えても高い水準のケアを維持するのに役立ちます。(p4)

 

低体温予防の方法

• Remember to utilize tools to prevent hypothermia at all points during a patient’s stay in the clinic. Examples include double newspaper-lined cage floors, towels or fleece blankets appropriately sized to completely wrap the patient, warm rice socks, baby socks, warm SQ fluids and mylar blankets for bundling with warm rice bags on recovery.

患者がクリニックに滞在している間、低体温を予防するための手段を常に活用することを忘れないようにします。例えば、

・新聞紙を二重に敷いたケージの床

・患者を完全に包むことができる適切なサイズのタオルまたはフリース毛布

・暖かい米袋※1

・ベビーソックス

・暖かい皮下補液

・回復時に暖かい米袋と一緒に包むためのアルミ毛布※2

などが挙げられます。(p4)

 

※1 「rice bag」は文字通り「米袋」なのですが、ここでは、適当な大きさの布袋に米を入れたものを使います。この袋を電子レンジでチンすれば、使い捨てカイロのようにしばらく温かさが保たれるわけです。

 

※2 「mylar blanket」とは、非常持ち出しセットによく入っているアルミ毛布のことです。安価で保温効果が高いため重宝します。