コミュニケーション(Communication) その1

ASPCA (米国動物虐待防止協会)のスペイクリニック(犬猫の避妊去勢手術に特化した動物病院)の新人研修マニュアル“Just-in-Time On-boarding Manual” (2020)から、コミュニケーション(Communication)について見ていきます。

 

リーダーシップの重要性

• The lead veterinary technician/drug technician for the day needs to maintain a strong leadership role and utilize the team effectively, so s/he can focus on what s/he needs to do. As the team gains more experience working together, more routine duties will no longer need to be directed, and the focus can be on improved patient flow and care.

その日の主導獣医看護師/調剤技師※は、強いリーダーシップを発揮し、チームを有効に活用することで、自分がやるべきことに集中できるようにする必要があります。チームが一緒に仕事をする経験を積めば、ルーチンワークを指示する必要がなくなり、患者の流れやケアを改善することに集中できるようになります。(p5)

 

※drug technician(pharmacy technician)とは、欧米では一般的な、薬剤師の指示に基づき調剤業務を行う技術職です。米国では民間の認定資格で、その扱いは州によって異なります。

 

※リーダーが細かい指示を出さなくてもよい状況を作り出すには、スタッフが自分の役割を理解し動けるようになることが重要です。

 

クローズドループ・コミュニケーション

• Continue to practice closed-loop communications, where you constantly acknowledge each other when moving about throughout the day.

一日を通して活動する際に、常にお互いを確認し合うクローズドループ・コミュニケーションを実践し続けます。(p5)

 

クローズドループ・コミュニケーションとは、情報伝達の際に、受け手が指示事項を復唱し(チェックバック)、それを指示者が確認しコミュニケーションのループを閉じるタイプのコミュニケーションです。伝達ミスが許されない医療現場で一般的に行われている方法です。

 

次に何が必要か考えながら動く

• Work on prioritizing and thinking of what needs to happen to keep the surgeon prepared with the next surgery.

作業に優先順位をつけ、外科医が次の手術に備えられるように、何が必要かを考えるようにします。(p5)