患者の退院(Patient Release)

ASPCA (米国動物虐待防止協会)のスペイクリニック(犬猫の避妊去勢手術に特化した動物病院)の新人研修マニュアル“Just-in-Time On-boarding Manual” (2020)の最後は、患者の退院(Patient Release)です。

 

切開部位の確認

• Check incisions prior to release.

•退院の前に切開部位を確認してください。(p7)

 

※HQHVSN(高品質かつ大量の避妊去勢手術)では、皮膚縫合は抜糸不要の埋没縫合とし、ワイヤーやテープなどで保護しないのが一般的です。特に野良猫のリターン前には、皮膚縫合が裂開していないことを確実に確認しておく必要があります。

 

所有者への指示

ペットの犬猫の場合、一般の動物病院と同様に、飼主に術後ケアについて指示します。一般的にHQHVSNでは長く効く鎮痛剤が投与されますが、追加の疼痛ケアが必要になるかもしれません。また傷口の裂開など術後のトラブルの対応についても説明が必要です。

野良猫についてはリターン後の術後ケアは困難ですが、世話人に対する一定の指示事項の伝達は必要です。

専門的なことや、判断に迷うことを尋ねられた場合は即答せず、獣医師や看護師に相談するようにしましょう。

 

• Owners should be given both written and verbal discharge instructions. Do so in a way that is as efficient as possible using your social distancing protocols.

•所有者には、書面と口頭の両方で退院指示を与える必要があります。 ソーシャルディスタンスを保ちながら、可能な限り効率的な方法でこれを行います。(p7)

 

※人間の感染症対策も考慮しなければならない、世知辛い世の中になってしましました。

 

• All medications dispensed should be double-checked for correctness and reviewed in detail with each client.

•調剤されたすべての薬剤は正確性を再確認のうえ、各クライアントといっしょに詳細を確認する必要があります。(p7)

 

• Always provide a written copy of expected post-operative care.

•予想される術後ケアのコピーを常に書面で提供してください。(p7)

 

※口頭だけだと、大事なところを忘れたりします。