TNRの語り方(How to Talk TNR) その5

ASPCA(米国動物虐待防止協会)のホームページの「TNRの語り方(How to Talk TNR)」という記事では、TNRを語るにはTNRが野良猫にもたらすメリットを理解することが求められると記載されています。

https://www.aspcapro.org/resource/how-talk-tnr

 

3: Understand the Benefits to Cats(猫にとってのメリットを理解する)

Cats have been living outside for thousands of years and they will continue to be a part of our society whether we implement TNR or not. However, implementing TNR will not only benefit the community, it will help feral cats, too.

猫は何千年もの間屋外で暮らしていて、TNRを実施するかどうかにかかわらず、猫は私たちの社会の一部であり続けます。しかしながらTNRの実施は、地域に利益をもたらすだけでなく、野良猫にも役立ちます。

 

【のらぬこの解説】TNRは本来家庭動物である猫を野に置くことを容認することであり、動物福祉上問題があるという意見があります。しかしAlley Cat Allies(米国のTNR推進団体)は、猫が屋内で飼育されるようになったのは近代になってからで、猫は本来屋外で飼われていた動物であると主張しています。

 

The sad reality is that the vast majority of feral cats brought into a shelter will be euthanized. However, if they are allowed to live out their natural lives, most can have a lifespan similar to a pet cat. 

悲しい現実は、シェルターに連れてこられた野良猫の大多数が安楽死させられるということです。しかし、彼らが自然な生活を送ることが許されれば、ほとんどの人はペットの猫と同じような寿命を持つことができます。

 

【のらぬこの解説】野良猫の過酷な生活を考えると、私は個人的意見として猫を野に置くことに反対ですが、現実問題として、すべての野良猫を保護し譲渡することは不可能です。アニマルシェルターの収容能力も有限です。病気や幼齢などでケアが必要な猫については優先的に保護されるべきで、野外生活に耐えられる猫たちについては安楽殺の代わりに、やむなく野に置いて管理するというのがTNRの考え方です。

 

And, according to a 2006 study of 103,643 stray and feral cats, less than 1% of the cats needed to be euthanized due to debilitating conditions, trauma, or infectious diseases.

また、2006年に行われた103,643匹の迷い猫や野良猫の研究によると、衰弱、外傷、または感染症のために安楽死させる必要のある猫は1%未満でした。

 

【のらぬこの解説】この統計は、TNR反対論者が言うほど野良猫は過酷な生活をしているわけではないということを説明する際に良く用いられます。しかし本当に重篤な状態の野良猫は、決して人前には現れないという事実を割り引いて考える必要があります。