野良猫と共存するために その2

ASPCA(米国動物虐待防止協会)のホームページの記事「5 Tips to Make Community Cats Better Neighbors(野良猫をより良い隣人にするための5つのヒント)」(https://www.aspcapro.org/resource/5-tips-make-community-cats-better-neighbors)のまず最初は「適切な獣医療の提供(Provide Proper Vetting)」です。

 

適切な獣医療の提供(Provide Proper Vetting)

Completing Trap-Neuter-Return (TNR) and vaccination of your entire cat colony, including occasional visitors and newcomers, is the best thing you can do for community relations—and for the cats as well.

Trap-Neuter-Return(TNR)を完了し、訪問者や新参者を含む猫のコロニー全体に予防接種を行うことは、地域社会と猫にとっても最善の方法です。

 

Once cats are spayed and neutered, some major nuisance behaviors will cease: spraying, fighting, yowling and the seemingly endless supply of new kittens.

猫が避妊去勢されて中性化されると、いくつかの主要な迷惑行動は止まります:尿スプレー、けんか、鳴き声、そして無限に続く子猫の誕生。

 

【のらぬこの解説】野良猫を野に置くことで地域住民が抱く懸念としては、次の3つが代表的です。

 

・野良猫が増えるのではないか

・野良猫による迷惑行為が続くのではないか

・野良猫が人獣共通感染症の感染源になるのではないか

 

これらの懸念に応えるためには、野良猫が増えないようにし、かつ野良猫の健康状態を保つことが必要です。つまり野良猫に施される「適切な獣医療」の出発点は避妊去勢手術で、必要に応じてワクチン接種や駆虫を実施していくことになります。駆虫といっても、野良猫に駆虫薬を適切な量だけ経口投与することはなかなか難しいため、避妊去勢手術の際の麻酔中にスポットオンタイプの駆虫薬を投与することになります。

 

Vaccinating all the cats will head off concerns that cats might become a rabies threat. And the cats will be healthier after TNR, free from the stresses of mating and childbirth.

すべての猫に予防接種をすることで、猫が狂犬病の脅威になるかもしれないという懸念を回避できます。そして、猫はTNRの後、交配や出産のストレスから解放され、より健康になります。

【のらぬこの解説】米国は狂犬病発生国ですから、野良猫に起因する最大の公衆衛生上の懸念は狂犬病の媒介です。日本において狂犬病は発生していませんが、猫からの感染が懸念される感染症はいくつかあります。それらを直接予防するワクチンはありませんが、一般的なワクチン接種や駆虫によって猫を健康に保つことは、結果的にその他の感染症を予防することにつながります。