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MASHの利点・その3 協働が可能

MASH(仮設施設における猫の「一斉手術」)の利点の3つ目は、地元のシェルターや動物保護団体、ボランティア等との協働が可能ということです。ここでは、”Shelter Medicine for Veterinarians and Staff, Second Edition”(2013)から引用してみます。

 

「独立型」MASHと「協働型」MASH

Makolinski(2013)はMASHのメリットとして「協働」を挙げています。

 

Other advantages are the ability to visit areas in great need, work with a large number of shelters/rescue organizations, and call upon volunteers to arrange clinics in their communities.

その他の利点としては、ニーズの高い地域を訪問できること、多くのシェルターや保護団体と協力できること、ボランティアを募って地元でクリニックを開催できることなどが挙げられます。(p581)

 

【のらぬこの一言】

大きな団体が自前でスタッフを揃え、特定地域に出向く「独立型」のMASHもありますが、地元からの要請に基づき最低限のスタッフと機材・資材を派遣するという「協働型」のMASHのほうがおそらく多いと思います。「協働型」のMASHの場合、会場の手配や会場設営、捕獲した猫の管理といった作業は地元の保護団体やボランティアが行うことが多いです。「協働型」MASHにはスタッフ確保という直接的なメリットだけではなく、地元を巻き込み自らの問題として考えてもらうきっかけになるというメリットもあります。

 

コーディネーターの重要性

「協働型」MASHには、ベテランの保護活動家から一般のボランティアまで、様々な人が参画します。MASHを効率的に運用するためには、知識やスキルが様々な人たちにうまく働いていただくことが必要で、コーディネーター(調整役)の存在が重要です。

また「協働型」MASHの多くは地元からの要請に基づくので、対応可能な動物種(猫だけか、犬やウサギも対象にするか)や頭数などについて、あらかじめ明確にしておく必要があります。Makolinski(2013)はこう述べています。

 

Since such programs may spay/neuter privately owned animals, free-roaming cats, and animals from rescue organizations in several different communities, it is important for coordinators to establish and clearly communicate the number and type (species, weight, age, and health status) of animals who can be served at each clinic.

このようなプログラムでは、個人所有の動物、自由生活の猫、保護団体からの動物の避妊去勢手術を複数の地域で行うことがあるため、コーディネーターはそれぞれのクリニックで対応できる動物の数と種類(種類、体重、年齢、健康状態)を決め、明確に伝えることが重要です。(p581)