MASH(仮設施設における猫の「一斉手術」)の際には、手術中や手術後の動物を保温するための器具が必要です。White(2020)(https://ergovet.com/mash-clinics/)の記述から見ていきましょう。
患者の保温(Patient warming)
Selecting a surgical patient warming device for MASH can be challenging, as some are too bulky to transport in small MASH vehicles, and those containing water may be difficult to transport due to spilling or freezing water during transport and storage (I used to use a Gaymar pump and water blanket but got frustrated by leaks and spills and the risk of freezing). A low-voltage conductive polymer fabric heating pad (such as Hot Dog or ChillBuster or Warm Blood if you can still find them) can be used, as they are compact and fairly durable.
MASH用の手術用患者保温器具の選定は、小型のMASH車両で運ぶにはかさばるものや、水を含むものは運搬・保管中に水がこぼれたり凍ったりして運搬が困難な場合があります(以前、Gaymar(米国の医療機器ブランド)のポンプとウォーターブランケットを使っていましたが、漏れやこぼれ、凍結の危険性にイライラしていました)。低電圧の導電性高分子布製発熱パッド(HotDogやChillBuster、もしあればWarm Bloodなど)は、コンパクトでかなり耐久性があるので、使用可能です。
【のらぬこの一言】
HotDog(Augustine Surgical)、ChillBuster(DVM Solutions)、Warm Blood(Jorgensen Laboratories)はいずれも獣医療用として販売されている保温パッドです。医療用というわけではありませんが、日本の大手ペット用品メーカーも犬猫用の保温パッドや電子カーペットを販売していますので、こういうものを使うのもよいかと思います。ウチの自治体の動物愛護管理センターでは、ホームセンターで購入した保温パッドを使っています。使用後に消毒できるよう、耐水性を重視しています。
Any postoperative warming devices that we use, such as heating pads, rice socks, or electric blankets, are supplied by the host organization, and should be used with caution (ie, no skin contact with the pet, and used only with direct human supervision) to avoid thermal burns.
術後に使用する、受入団体から提供された保温器具(保温パッド、ライスソックス、電気毛布など)は熱傷を避けるため、慎重に使用してください(つまり、ペットと皮膚が接触せず、人が直接監視して使用すること)。
【のらぬこの一言】
熱傷に対する安全性もそうなのですが、現場で調達した保温器具はどこでどのような扱いをされているかわかりませんので、使用前と使用後の消毒が必要です。
※ライスソックスとは、靴下の中に米粒を入れたもので、電子レンジで温めて使います。