MASH(仮設施設における猫の「一斉手術」)にかかる初期費用について、White(2020)(https://ergovet.com/mash-clinics/)の記述から見ていくことにします。
初期費用(Financial investments)
Financial requirements for a MASH clinic are generally much lower than for a stationary clinic or self-contained mobile unit. There will also be some differences in the initial investments between MASH clinics following a collaborative model versus an independent model. In all MASH clinics, the major initial costs will include acquisition of a vehicle, surgical and anesthetic equipment, initial consumable supplies (for example, drugs, vaccines, syringes and needles, gauze sponges, antiseptics, and suture material) and an autoclave. In cases in which the MASH clinic already has access to a suitable vehicle, or if the MASH vehicle is purchased with a car loan, the initial investment to start a collaborative MASH clinic will likely range from $20,000- $35,000.
MASHクリニックの経済的要件は、一般的に、固定クリニックや自己完結型のモバイルユニットよりもはるかに低くなります。またMASHクリニック間の初期費用には、協働型と独立型の間にいくつかの違いがあります。すべてのMASHクリニックの主な初期費用には、車両、手術および麻酔機器、初期の消耗品(たとえば、薬剤、ワクチン、注射器および針、ガーゼスポンジ、消毒剤、および縫合材料)、および滅菌器の購入費が含まれます。MASHクリニックがすでに適切な車両を所有している場合、またはMASH車両を自動車ローンで購入した場合、協働型MASHクリニックを開始するための初期投資はおそらく20,000〜35,000米ドルの範囲になります。
【のらぬこの一言】
日本において、フルスペックの動物病院を開業する際の初期費用は、土地建物代を除き概ね900万円前後といわれています。その中にはX撮影装置や各種検査機器が含まれています。MASHに最低限必要な医療機器は「麻酔器」と「滅菌器」だけですので、ざっくりと言うと「麻酔器 @70万円×2=140万円」「滅菌器 @30万円×1=30万円」で、これに手術器具や消耗品などもろもろの装備を加えると200万円ちょっとになるのかなと思います。White先生は20,000〜35,000米ドルとおっしゃっていますが、これを2022年7月のレートで日本円に換算すると約270~470万円になります。少し高いと思われるかもしれませんが、米国の物価と円安を考えるとこんなものかもしれません。