MASH（仮設施設における猫の「一斉手術」）の会場設営について、White(2020)（https://ergovet.com/mash-clinics/）の記述から見ていきます。
クリニックの設営（Setting up the clinic）
In a collaborative MASH clinic, the host organization’s staff admits patients before the veterinarian and technician arrive, or while the veterinarian and technician are unpacking and setting up. In each new clinic venue, the MASH veterinarian and technician must plan the layout and flow for the clinic. The veterinarian’s and technician’s workspaces are re-created as consistently as possible but must be adjusted to accommodate the locations of windows, electrical outlets, and doors. Flow through the clinic should be optimized, although not every venue will lend itself to smooth flow between preop, prep, surgery, recovery, and postop areas.
協働型MASHクリニックでは、獣医師と看護師が到着する前に、あるいは獣医師と看護師が荷解きや準備をしている間に、受入団体のスタッフが患者を受け入れます。クリニックの新しい会場では、MASHの獣医師と看護師が診療のレイアウトや流れを計画する必要があります。獣医師や看護師の作業スペースは可能な限り一貫して再現されますが、窓やコンセント、ドアの位置に合わせて調整する必要があります。術前、術前準備、手術、回復、術後の各エリア間のスムーズな流れは、すべての会場で実現できるわけではありませんが、クリニック内の流れを最適化することが必要です。
【のらぬこの一言】
協働型MASHの場合、会場ができ次第作業に取り掛かれるよう、受入団体がMASHチーム到着時までに、ある程度の動物を受け入れておきます。本当は全ての動物を受け入れ、手術頭数が確定していることが望ましいのですが、野良猫の捕獲がままならず、間に合わないこともよくあります。
MASHを設営する際には、まず手術スペースを確保します。そこには手術台と作業台（消耗品を置いたり、看護師が薬剤を注射器で「引く」作業などを行う台）を設置します。手術スペースは獣医師と看護師が最も作業しやすい場所に配置します。そのうえで、術前待機、術前準備、術後処置、回復の各ブースを設置し（Levy先生は「ステーション」と呼んでいます）、可能であればそれぞれ専属のスタッフを貼り付けます。
Levy(2013)の講義アーカイブ”Quantity AND Quality: MASH Clinics for Large-Scale Cat Spay/Neuter”（https://youtu.be/Qs0p1gfVO-g）によると、MASH時には各ステーションを固定し（Fixed stations）、各ステーションでボランティアスタッフが特定の作業を行い（Volunteers perform specific tasks）、猫を各ステーション間で移動させることによりケアを完了させる（Cats rotate through stations for complete care）と述べられています。