避妊去勢のタイミング~野良猫~

英国の猫関連団体の連合体であるThe Cat Groupは、2006年の“Timing of neutering”(避妊去勢手術の時期)という声明(http://www.thecatgroup.org.uk/policy_statements/neut.html)で、子猫の避妊去勢手術の具体的なタイミングについて述べられています。

 

Feral kittens(野良猫の子猫)

If caught before seven to eight weeks old, can be treated as rescue kittens (above). If they are to be put back into a feral colony as part of a trap/neuter/release programme then neutering can be carried out as early as seven to eight weeks if necessary, as once released it is very difficult to catch them again. Neutered cats should be ear-tipped for future identification. It is recommended that kittens are given a first vaccination dose before release.

生後7〜8週齢より前に捕獲された場合、保護子猫として扱います(前述)。TNRの一環として野外のコロニーに戻される場合は、再捕獲は極めて困難なため、必要に応じて7〜8週齢で避妊去勢手術を行います。避妊去勢された猫は、将来の識別のために耳をカットする必要があります。子猫には、リリース前に最初のワクチン接種を行うことをお勧めします。

 

【のらぬこの一言】

TNRの際に7~8週齢以降の子猫が捕獲された場合、避妊去勢手術とワクチン接種ののちに元の場所にリターンされます。この声明はあくまでもThe Cat Groupの公式見解ですので、国際標準の「8週齢」と記載されていますが、再捕獲が極めて困難なことを考えると、自活可能(リターン可能)とみなされた子猫については週齢を問わずできるだけ手術を行います。手術やリターンに耐えられないと判断された若い子猫が捕獲された場合、保護され譲渡の対象となりますが、その際は「保護子猫」の扱いになります。

The Cat Groupは子猫のストレス軽減の観点から「ワクチン接種(1回目)」「避妊去勢手術」「譲渡」「ワクチン接種(2回目)」の間には十分な期間(数週間)を空ける必要があるとしていますが、TNRの場合は一度の捕獲ですべてを終わらせる必要があるため、避妊去勢手術と「最初の」ワクチン接種(場合によっては駆虫も)を同時に行います。

余談ですが、TNRの際のワクチン接種に「2回目」は基本的にないのですが、1回だけの接種でもある程度の効果があることがわかっています。