非外科的避妊去勢について

英国の猫関連団体の連合体であるThe Cat Groupによる、2006年の“Timing of neutering”(避妊去勢手術の時期)という声明(http://www.thecatgroup.org.uk/policy_statements/neut.html)には、非外科的避妊去勢についても触れられています。

 

Chemical neutering?

化学的避妊はどうですか?

At present the only form of permanent neutering available is by surgical means. There is much interest in chemical neutering but at present this is not a viable permanent solution.

現在利用可能な永久的な避妊去勢の唯一の方法は、外科的手段によるものです。化学的避妊には多くの関心が寄せられていますが、現時点ではこれは実行可能な恒久的な解決策ではありません。

 

【のらぬこの一言】

犬猫の非外科的避妊去勢については世界中で様々な研究が行われていて、The Alliance for Contraception in Cats & Dogs (ACC&D)「猫と犬の避妊のための同盟」が支援を行っています。特に欧州は伝統的に避妊去勢手術を忌避する傾向が強いので(英国はそれほどでもないと聞きますが)、米国や日本よりも非外科的避妊去勢に対する関心が強いようです。しかし以前も述べたとおり、外科手術に勝る方法はないのが現状です。

 

Use of progestagens

黄体ホルモンの使用

It is possible to use progestagens for long-term semi-permanent postponement of oestrus. However, most veterinary surgeons would consider that the best course of action for cats not intended for breeding is neutering.

プロゲスターゲンは、発情期の長期的な半永久的な延期に使用できます。しかし、ほとんどの獣医師は、繁殖を意図していない猫にとって最善の行動は避妊去勢手術であると考えています。

 

【のらぬこの一言】

「酢酸メゲストロール」などの黄体ホルモン製剤が、主に猫用の経口避妊薬として使用可能ですが、定期的な投与が必要ですし、長期間使用すると副作用のおそれもあるため、あくまでも一時的な避妊のために緊急避難的に用いられています。詳しくはここを参照してください。