子猫の麻酔の懸念事項<その1>静脈注射が困難

英国の猫関連団体の連合体であるThe Cat GroupのWebページ “Anaesthesia for neutering kittens”(子猫の避妊去勢のための麻酔)(http://www.thecatgroup.org.uk/anaes.html)には、幼い子猫に麻酔をかける際の懸念事項とその対策について述べられています。

 

Potential problems in anaesthesia of young kittens

若い子猫の麻酔における潜在的な問題

The Cat Groupは、幼い子猫に麻酔をかける際の懸念事項について次の3つをあげています。

・体の大きさ

・身体機能が未発達

・精神的影響

それぞれについて見ていくことにしましょう。

 

Size(サイズ)

当然のことながら、子猫は体が小さいため、麻酔にあたっては様々な懸念事項が生じます。例えば

・静脈注射が困難

・体が冷えやすい

・手術が難しい

といった懸念事項があります。

 

静脈内投与が困難

Young kittens presented for neutering are small, many weighing around I kg or less. As a result, handling and placing an intravenous catheter may be difficult to perform and stressful to the kitten. Sedative and anaesthetic agents are most easily given by intramuscular or subcutaneous injection and by inhalation. Kittens must be weighed accurately to ensure correct drug dosage and diluted solutions used to ensure accurate dosing.

避妊去勢手術を受ける若い子猫は小さく、多くの場合、体重は約1 kg 以下です。その結果、静脈内カテーテルの取り扱いと配置が難しくなり、子猫にストレスを与える可能性があります。鎮静剤および麻酔剤は、筋肉内または皮下および吸入によって最も簡単に投与されます。子猫は、正確な投薬を確実にするために使用される正しい薬物投与量と希釈溶液を確保するために正確に体重を量る必要があります。

 

【のらぬこの一言】

麻酔薬を投与しようとする場合、効きやすくかつ用量の調整が容易という点で、静脈カテーテルを通じて静脈内に投与することが望ましいのですが、幼い子猫の場合はそれが難しいため、筋肉(または皮下)注射や吸入麻酔、またはそれらの組み合わせで麻酔を行います。