英国の猫関連団体の連合体であるThe Cat GroupのWebページ “Anaesthesia for neutering kittens”(子猫の避妊去勢のための麻酔)(http://www.thecatgroup.org.uk/anaes.html)には、幼い子猫に麻酔をかける際の懸念事項とその対策について述べられています。
体が冷えやすい
Hypothermia is another potential hazard, due to the high body surface area to volume ratio, limited body fat and immature thermoregulatory control. Considerable care must be taken to prevent heat loss whenever possible. This could include clipping the minimum amount of fur without compromising sepsis, careful use of surgical , scrub so that the kitten is kept as dry as possible, minimal exposure of abdominal contents to prevent excessive evaporation, careful insulation with bubble wrap or space blankets, and use of heated pads or, better still, hot air blowers such as the Bair Hugger®, during surgery. The kitten should also be kept warm until fully recovered, as further heat may be lost after anaesthesia before normal mobility is resumed.
低体温は、体表面積と体積の比が高く、体脂肪が少なく、体温調節機能が未熟であるため、もうひとつの潜在的な危険です。可能な限り熱損失を防ぐために、かなりの注意を払う必要があります。これには、敗血症の危険にさらすことなく最小限の毛刈りをすること、子猫をできるだけ乾燥した状態に保つための手術用洗浄剤の慎重な使用、過度の蒸発を防ぐための腹部内容物の露出を最小限に抑えること、気泡緩衝材またはスペースブランケットによる慎重な断熱、および手術中の加熱パッド、またはさらに良いのは、Bair Hugger® などの熱風送風機の使用。また、子猫は完全に回復するまで保温する必要があります。麻酔後、正常な動きが再開される前にさらに熱が失われる可能性があるためです。
【のらぬこの一言】
体の小さい子猫は特に体が冷えやすいので注意が必要です。手術中に患者の体を冷やさないためには、毛刈りや術野の消毒液を最低限にするとともに、保温パッド等による保温が必要です。ここではBair Huggerが推奨されています。Bair Huggerとは「熊にハグ」されるように手術中の患者を温める、3M製の保温医療器具です。知らない人には布団乾燥機にしか見えませんが、布団乾燥機よりもはるかに高額です。
麻酔からの回復時にも保温が必要です。低体温症の危険性もありますし、低体温だと回復が遅れるからです。