子猫の麻酔の懸念事項<その3>手術の問題

英国の猫関連団体の連合体であるThe Cat GroupのWebページ “Anaesthesia for neutering kittens”(子猫の避妊去勢のための麻酔)(http://www.thecatgroup.org.uk/anaes.html)には、幼い子猫に麻酔をかける際の懸念事項とその対策について述べられています。

 

手術の困難さ

Small size may also make surgery more difficult and lead to increased tissue trauma around the incision. However, the organs to be removed are also small, so this may be to the kitten's advantage as tissue damage should thus be minimised. 

サイズが小さいと、手術がより困難になり、切開部周辺の組織外傷が増加する可能性もあります。ただし、切除する臓器も小さいため、組織の損傷が最小限に抑えられるため、これは子猫にとって有利になる可能性があります。

 

【のらぬこの一言】

一般的な開腹手術であれば、子猫の場合、体の大きさに対する切開創の大きさの割合が大きくなりますし、腹腔内をよく見るために大きめに切開するということもありえますので、そのぶん出血が増えるということもあるかもしれません。しかしそもそも去勢手術は開腹しませんし、避妊手術も「スペイフック」を用いたいわゆる「吊り出し術」であれば切開は最小限で済むはずです。精巣や卵巣、子宮の切除についても、子猫は組織が未発達なため、損傷が最低限で済むというのが、早期避妊去勢手術のメリットのひとつとされています。

 

出血のリスク

Circulating blood volume is inevitably small, and haemorrhage must be prevented, as loss of more than a few millilitres will be harmful. However, since the tissues to be removed are not fully developed, the blood supply should also be limited and the risk of major haemorrhage be less than in the adult.

循環血液量は必然的に少なく、数ミリリットル以上の損失は有害であるため、出血を防止する必要があります。ただし、切除する組織は完全に発達していないため、血流も制限されていて、大出血のリスクは成猫よりも低くなります。

 

【のらぬこの一言】

子猫はそもそもの血液量が少ないため、出血が致命傷につながりやすいことに注意が必要です。ただし去勢手術の際にはほとんど出血しませんし、避妊手術もいわゆる「吊り出し術」であればほとんど出血はありません。とはいえ、出血時の対応についてはシミュレーションしておく必要があります。