「譲渡後の避妊去勢手術契約」に利用できるツール

米国デーン郡人道協会(DCHS)は「譲渡後の避妊去勢手術契約」により動物の譲渡を実施していますが、その際に役立つツールについて、DCHSのDonnett主任獣医師と、Matt動物医療サービス運用アシスタントへのASPCA(米国動物虐待防止協会)のインタビュー記事“They Did It: Decreased Length of Stay with Post-Adoption Spay/Neuter Contracts”(https://www.aspcapro.org/resource/they-did-it-decreased-length-stay-post-adoption-spayneuter-contracts)から見ていきましょう。

 

ASPCApro: Are there any tools or templates you could share for other shelters to use if they are interested in trying this out?

ASPCApro:他のシェルターがこれを試すことに興味がある場合に使用するために共有できるツールやテンプレートはありますか?

 

Donnett & Matt: We utilize the “voucher” option in PetPoint. We then enter template notes in their medical record stating why the animal is leaving on contract and how long they should wait before scheduling surgery. We track the scheduling and completion of contracts on Google Sheets and Google Calendar. Google Calendar is extremely handy since it’s how we document available and scheduled appointments, and all staff members have access to it.

Donnett&Matt:PetPointの「クーポン券」機能を利用しています。次に、動物が契約状態にある理由と、手術予約の待機時間を示すひな形のメモを診療記録に入力します。GoogleスプレッドシートとGoogleカレンダーで契約の予定と完了を追跡します。Googleカレンダーは、利用可能な予定や予約された予定を記録する方法であり、すべてのスタッフがアクセスできるため、非常に便利です。


【のらぬこの解説】

PetPoint®とは、ペットヘルス社が配布している、アニマルシェルター向けの動物管理アプリケーションです。同社のサービス(マイクロチップやペット保険など)を利用することにより、無料で利用することができます。米国のアプリケーションなので私はよく知らないのですが、各種クーポン券を発行する機能もあるようです。

DCHSが「Googleスプレッドシート」や「Googleカレンダー」を推しているのは、Webベースで動くアプリケーションが望ましいという考え方からです。その理由として、インターネット環境下であれば、それぞれのパソコンにアプリケーションをインストールすることなく、複数のパソコンでログインして作業ができることや、クラウドにデータが保存されるため、パソコンの故障によるデータ消失のおそれがないことなどがあげられます。