「譲渡後の避妊去勢手術契約」で直面した問題

米国デーン郡人道協会(DCHS)は「譲渡後の避妊去勢手術契約」により動物の譲渡を実施していますが、その際に直面した問題について、DCHSのDonnett主任獣医師と、Matt動物医療サービス運用アシスタントへのASPCA(米国動物虐待防止協会)のインタビュー記事“They Did It: Decreased Length of Stay with Post-Adoption Spay/Neuter Contracts”(https://www.aspcapro.org/resource/they-did-it-decreased-length-stay-post-adoption-spayneuter-contracts)から見ていきましょう。

 

ASPCApro: Did you come across any challenges, and if so, what did you learn from them?

ASPCApro:何か課題に遭遇しましたか?もしそうなら、それらから何を学びましたか?

 

Donnett & Matt: One challenge was at the start of the pandemic when we couldn’t schedule nearly as many surgeries as before. Some clients were frustrated when they couldn’t get on the schedule immediately but soon realized almost all clinics and shelters were operating at a decreased capacity. We also faced many challenges ordering drugs and supplies due to backorders and long shipping times. We told clients about these supply chain challenges and about our own staffing shortages, which helped them understand why we may need to schedule them out further in advance. We've found it’s always good to be transparent with the client.

Donnett&Matt: 1つの課題は、パンデミックの開始時に、以前ほど多くの手術を予約できなかったときでした。一部のクライアントは、すぐに予約できなかったために不満を感じていましたが、すぐにほとんどすべてのクリニックとシェルターが業務を縮小して運営されていることに気付きました。また、入荷待ちと長い出荷時間のために、医薬品や消耗品を注文する際に多くの課題に直面しました。私たちはクライアントにこれらのサプライチェーンの課題と私たち自身の人員不足について話しました。さらにそれは私たちが手術の日程をあらかじめ予定しておく理由を彼らが理解するのを助けました。私たちは、クライアントと常に透明性を保つことが良いことだと考えています。


【のらぬこの解説】

「譲渡後の避妊去勢手術契約」で譲渡した動物については、速やかに予約を入れてどんどん手術を実施することが望ましいのですが、COVID-19のパンデミックはスペイクリニックの運営にも大きな影響を与えました。スタッフが感染して出勤できないという問題もありましたが、最も深刻だったのは品薄による医薬品や消耗品の入手困難でした。「早く手術しろと言っておいて、手術できないなんて」という飼い主のお怒りもごもっともですが、シェルター側の事情を率直に伝えれば納得しない人はおそらくいないでしょう。