「譲渡後の避妊去勢手術契約」のアドバイス

米国デーン郡人道協会(DCHS)は「譲渡後の避妊去勢手術契約」により動物の譲渡を実施しています。DCHSのDonnett主任獣医師と、Matt動物医療サービス運用アシスタントへのASPCA(米国動物虐待防止協会)のインタビュー記事“They Did It: Decreased Length of Stay with Post-Adoption Spay/Neuter Contracts”(https://www.aspcapro.org/resource/they-did-it-decreased-length-stay-post-adoption-spayneuter-contracts)は、同様の事業を計画しているアニマルシェルターへのアドバイスで締めくくられています。

 

ASPCApro: Do you have any tips for animal shelters or rescues that are looking to implement post-adoption spay/neuter contracts?

ASPCApro:「譲渡後の避妊去勢手術契約」を実施しようとしているアニマルシェルターや保護団体のためのヒントはありますか?

 

Donnett & Matt: One of the things that really makes our system work is having someone dedicated to following up on the contracts. For DCHS, that is a paid position, but a dedicated volunteer could also fill this role.

Donnett&Matt:私たちのシステムを実際に機能させるもののひとつは、契約のフォローアップに専念する誰かがいることです。DCHSの場合、これは有給のポジションですが、献身的なボランティアもこの役割を果たすことができます。

 

【のらぬこの解説】

譲渡後の避妊去勢手術の完全履行を目指すのであれば、フォローアップのための専任スタッフは必須です。日本において譲渡後の避妊去勢手術の履行率が低い最大の原因は、フォローする職員が足りないことです。

 

It’s also very important to note the surgery timeline in PetPoint and share it with the adopters since it’s their responsibility to schedule the surgery.

手術の予約は彼らの責任であるため、PetPointの手術のタイムラインに記録し、それを譲渡先と共有することも非常に重要です。

 

【のらぬこの解説】

手術実施の期限日を新しい飼い主と共有することも重要です。そもそも手術の実施期限を設けないなどというのは論外です。

 

We also use deposits for some of our vouchers, which helps ensure the animal comes back for surgery –see the example at right.

また、一部のクーポン券にはデポジットを使用しています。これは、動物が手術のために戻ってくることを保証するのに役立ちます。右の例を参照してください。

 

【のらぬこの解説】

譲渡時に保証金を預かり、手術時に返還(手術費用に充当)するという手もあります。例として「猫の避妊去勢手術:50ドル」「犬の去勢:150ドル」「犬の避妊手術:200ドル」という数字が挙げられています。