受入時検査の実際<概略と個体識別>

UCデービスのホームページ(https://www.sheltermedicine.com/library/resources/?r=performing-a-physical-exam-on-a-shelter-animal)から、アニマルシェルターの受入時検査の具体的手順を見ています。

 

Physical exam components: (身体検査の構成要素)

 

1. Signalment:

Describe the name, species, breed or mix, color, age, and sexual status (spayed or neutered, male or female) to the best of your ability. If you don’t know, leave blank until you can make a definite determination.

名前、動物種、品種またはミックス、毛色、年齢、および性的状態 (避妊手術済みまたは去勢済み、オスまたはメス) をできる限り記述してください。わからない場合は、明確な判断ができるまで空白のままにします。

 

【のらぬこの解説】

ここでいうsignalmentとは「その動物の年齢・性別・品種を扱う獣医療の履歴の一部」を指す獣医学用語です。このsignalmentの用法は獣医学領域では普通に用いられていますが、一般の認知度はほぼゼロという、きわめてニッチな用法です。

 

2. ID Check:(個体識別情報)

Double check for tags or writing on the collar. Scan the entire body with a universal scanner. Look for tattoos on the inner ear, abdomen or inner thigh. Note distinguishing marks such as brands or ear tipping. Evaluate breed and carefully describe markings and coat patterns. 

タグや首輪の書き込みを再確認します。ユニバーサルスキャナーで全身をスキャンします。内耳、腹部、または内腿の入れ墨を探します。焼き印や耳カットなどの識別マークに注意してください。品種を判定し、斑紋や被毛の模様を注意深く記述します。

 

【のらぬこの解説】

米国においてもISO規格のマイクロチップが普及しつつありますが、かつては独自規格のマイクロチップが広く普及していました。もちろんそれを読み取るには、それぞれ専用のスキャナが必要になりますが、まとめて読み取ることができるuniversal scannerというスキャナもあります。詳しくはここを参照してください。日本で使用されているマイクロチップはほぼISO規格ですので、そこはあまり気にしなくてよいと思います。マイクロチップは装着後に移動する可能性がありますので、スキャンは必ず全身で行います。

米国では個体識別手段としての入れ墨も珍しくありませんが、日本ではあまり見ません。

余談ですが、markingとpatternの違いがよくわかりません(笑)。