受入時検査の実際<視診>

UCデービスのホームページ(https://www.sheltermedicine.com/library/resources/?r=performing-a-physical-exam-on-a-shelter-animal)から、アニマルシェルターの受入時検査の具体的手順を見ています。

 

3. Overall appearance and attitude(全体的な外観と姿勢)

Assess appearance before handling animal

動物を扱う前に外観を評価します。

 

【のらぬこの解説】

動物に触る前に、視診を行います。

 

Attitude – consider normal for that age/breed.

姿勢 – その年齢や品種で正常であるかどうかを注意深く見ます。

 

Movement – any sign of lameness, stiffness, incoordination?

動き – 跛行、拘縮、協調運動障害の兆候はありますか?

 

Initial assessment of behavior: this is not intended to replace formal behavior evaluation but can guide initial housing and care choices, for instance frightened animals can be housed in quiet areas with hiding places, while friendly, apparently highly "adoptable" animals may go straight to adoption housing areas while awaiting further evaluation. 

行動の初期評価: これは正式な行動評価に取って代わるものではありませんが、初期の住居とケアの選択を導くことができます。たとえば、おびえた動物は隠れ場所のある静かな場所に収容しますが、一方、人懐っこく明らかに「譲渡の可能性が高い」動物は、さらなる評価を待っている間、譲渡対象動物の飼育エリアに直行することがあります。

 

【のらぬこの解説】

一般的なアニマルシェルターの収容スペースは、受入れた直後の動物の様子を見るための「検疫エリア」、動物を収容する「収容エリア」、譲渡対象の動物が待機する「譲渡エリア」に分かれます。受け入れた動物は必要に応じて「検疫エリア」を経由し「収容エリア」で譲渡に向けて身体的・精神的ケアを行い、譲渡可能と判断されたら「譲渡エリア」に移され、譲渡希望者にお披露目されるという流れになります。出自が明らかで人馴れしている動物については、検査結果によっては即「譲渡エリア」に入れて譲渡に回すということもあります。シェルターメディスンでは、シェルターの滞在期間が長くなるほど感染症や行動異常のリスクが高くなると考えますので、譲渡できる動物はできるだけ早く譲渡するというわけです。