受入時検査の実際<聴診>

UCデービスのホームページ(https://www.sheltermedicine.com/library/resources/?r=performing-a-physical-exam-on-a-shelter-animal)から、アニマルシェルターの受入時検査の具体的手順を見ています。

 

9. Heart and pulse:(心臓と脈拍)

Invest in a reasonably good stethoscope ($50-$70). Feel for the heartbeat on the left side of the chest, and place the stethoscope over the area where the heartbeat feels strongest. Move the stethoscope forward, backward, and down 1-2 cm to hear all areas of the heart, then move to the right side of the chest and repeat. Listen for murmurs, abnormal rate and rhythm. Feel the pulse at the inside of the thigh.

適度に優れた聴診器 ($50-$70) に投資します。胸の左側で鼓動を感じ、鼓動が最も強く感じる部分に聴診器を当てます。聴診器を前後左右に 1 ~ 2 cm 動かして、心臓のすべての領域を聞いてから、胸の右側に移動して繰り返します。雑音、異常な速度とリズムに耳を傾けます。太ももの内側で脈をとります。

 

【のらぬこの解説】

聴診器は安物ではなく、ある程度の価格のものを選ぶとよいですが、かといって高級品である必要もありません。ここでは50~70ドル(7千~1万円)と書かれていますが、日本においてもそれなりのものを買おうとすれば、それくらいの価格帯になるようです。聴診器の種類によっては心音に向くとか肺音に向くとかあるようですが、受入時検査の段階では「何か変」だということが分かればよいわけですから、ベーシックなオールマイティータイプでよいと思います。正常な動物の音をたくさん聞いて、異常に気づくことができる耳を養うことが大切です。

 

10. Lungs:(肺)

To listen to the lungs, place the stethoscope low, high, forward and back on each side of the chest over the lungs. Upper respiratory sounds can easily be confused with lung sounds, so be cautious in interpreting results in animals with stuffy noses. Time and practice will give you a good sense of what normal heart and lungs sound like.

肺の音を聞くには、聴診器を低く、高く、前後に置き、肺の上で胸の両側に置きます。上気道の音は肺の音と混同されやすいため、鼻づまりのある動物の結果を解釈する際には注意が必要です。時間と練習を重ねることで、正常な心臓と肺がどのように聞こえるかを理解できるようになります。