受入時検査の実際<耳と鼻>

UCデービスのホームページ(https://www.sheltermedicine.com/library/resources/?r=performing-a-physical-exam-on-a-shelter-animal)から、アニマルシェルターの受入時検査の具体的手順を見ています。

 

11. Ears:(耳)

Ears should be clean and free of odor, with no discharge or slight clear to brown discharge. Brown discharge with itching in cats is likely to be caused by earmites – earmite infection can be confirmed by close visual inspection of the discharge or by microscopic examination of a slide. Earmites are uncommon in dogs, so excessive brown discharge most likely has another cause. Yellow, green or foul smelling discharge is abnormal.

耳は清潔でにおいがなく、分泌物がないか、あっても透明から茶色の分泌物が少量でなければなりません。猫のかゆみを伴う茶色の分泌物は耳ダニが原因である可能性が高く、耳ダニ感染は、分泌物の詳細な目視検査またはスライドの顕微鏡検査によって確認できます。犬の耳ダニはまれですので、大量の茶色の分泌物は別の原因である可能性が高いです。黄色、緑色、悪臭のある分泌物は異常です。

 

【のらぬこの解説】

耳ダニ(ミミヒゼンダニ:耳疥癬ともいう)は、特に野良猫に高率に見られます。また多頭飼育の犬猫の間で流行することもあります。人間に寄生することはありませんが、人間の皮膚につくと咬まれるので注意が必要です。これも外用薬で落とすことが可能ですので、受入の際に落としておくことが望ましいです。

 

13. Nose:(鼻)

Look closely for discharge, scabs or sores. Note color of discharge and whether it is on the left, right or both sides.

鼻汁、かさぶた、ただれがないかよく観察してください。鼻汁の色と、それが左側、右側、または両側にあるかどうかに注意してください。

 

【のらぬこの解説】

鼻汁が出ていること自体が異常ですから、他の部位の状況と合わせて判断する必要があります。特にアレルギー性の鼻汁なのか、感染症による鼻汁なのかを見極めることが重要です。例えば、野良の子猫で目やにを伴う鼻汁は猫かぜが強く疑われる所見です。どちらかわからない場合は、検疫室でしばらく様子を見ることになります。