犬の行動評価により、譲渡適性は「譲渡可能」「馴化が必要」「譲渡不可」に分かれます。そのあたりについて、Shelter Medicine for Veterinarians and Staff, Second Edition(2012)の記述から見ていきます。ここでは虐待からレスキューされた犬について記述されていますが、野犬等も同じような考え方でよいと思います。
譲渡可能
The results of a behavior evaluation should be used in conjunction with medical findings to determine the best possible outcome for victims of animal cruelty. Many will be suitable as pets and can be funneled into rescue groups and shelters for placement.
行動評価の結果は、医学的所見と併せて使用して、動物虐待の被害者にとって最善の結果を決定する必要があります。多くはペットとして適しており、譲渡するための保護団体やシェルターに収容することができます。
馴化が必要
Some may need a period of socialization or behavior modification provided by shelters, rescue groups, or experienced fosterers before being considered for placement.
一部の個体は、譲渡を検討する前に、シェルター、保護団体、または経験豊富な養育者によって提供される社会化または行動修正の期間を必要とする場合があります。
譲渡不可
Animals who are inappropriate as companions, either because of severe aggression or due to a compromised quality of life, should either be humanely euthanized or placed in long-term sanctuary housing.
激しい攻撃のため、または生活の質の低下が原因で、伴侶として不適切な動物は、人道的に安楽死させるか、サンクチュアリでの長期飼育に配置する必要があります。
If a sanctuary is to be considered, serious thought should be given to whether the animal would experience an acceptable quality of life. Often these refuges are densely populated with limited opportunities for substantive contact with caretakers. Animals who are highly social and can live in conspecific groups may be best suited for sanctuary life.
サンクチュアリを検討する場合は、動物が許容できる生活の質を体験できるかどうかを真剣に検討する必要があります。多くの場合、これらのシェルターには、養育者との実質的な接触の機会が限られています。社会性が高く、同種の集団で生活できる動物は、サンクチュアリでの生活に最適です。
「譲渡適性なし」と判断された犬については、安楽殺かサンクチュアリ(長期飼養を前提とした「ノーキル」シェルター)での終生飼養が選択されます。当然のことですが、「生かしておけばそれでいい」とばかりの、「サンクチュアリ」の名を借りた「飼い殺し」は許容されません。