避妊去勢手術の推奨月齢<猫の場合>

犬や猫の避妊去勢手術はどのタイミングで実施すればよいか、現状では獣医師の間でも意見が分かれているところです。現時点において、犬や猫の避妊去勢手術をどれくらいの月齢で実施すればよいか、HSUS(米国人道協会)が現在の知見をまとめています。HSUSのホームページ“Why you should spay/neuter your pet”(https://www.humanesociety.org/resources/why-you-should-spayneuter-your-pet)から、まずは猫について見ていきましょう。

 

飼い猫の場合

Owned cats should be altered before they are 5 months old as they can become pregnant at 4 months of age and older.

飼い猫は生後4ヶ月以上で妊娠する可能性があるため、生後5ヶ月になる前に手術する必要があります。

 

※alterは本来「改変する」という意味ですが、米国の文献ではしばしば「精巣や卵巣を除去する」という意味で用いられます。

 

保護猫の場合

Shelter animals should be altered prior to adoption—ideally, as early as 6 weeks old; however, some states may require waiting until the animals are 8 weeks old.

シェルターの動物は譲渡前に手術する必要があります。ただし、州によっては、動物が生後 8 週になるまで待つ必要がある場合があります。

 

野良猫の場合

Community cats should be altered via TNR (trap-neuter-return) at any age after 6 weeks old, although, again, some states may require waiting until the kittens are at least 8 weeks old.

野良猫は生後 6 週間を過ぎたらTNR (trap-neuter-return) で手術する必要がありますが、州によっては子猫が少なくとも生後 8 週間になるまで待たなければならない場合もあります。

 

【のらぬこの解説】

猫の場合は非常にシンプルです。技術的には生後6週齢で避妊去勢手術が可能で、後は法的規制やその他諸事情を考慮して、初回発情前に避妊去勢手術を実施することが望ましいということです。米国では「猫は5ヶ月齢までに避妊去勢手術」というのが基本になっています。ちなみに英国のThe Cat Groupは、猫は4ヶ月齢までに避妊去勢手術を実施することが望ましいとしています。